(序)「祟り」とは何か

菅原道真、平将門、崇徳天皇、非業の死を遂げた歴史上の三人は「日本三大怨霊」と呼ばれている。


そもそもたたりとは神仏や霊魂などの超自然的存在が人間に災いを与えることを言う。まだ科学が進歩していない時代には、疫病や洪水など原因が特定できない自然災害は神様がお怒りになって民に試練を与えていると考えられてきた。

それを畏れ鎮めるために祈願したのが神社祭祀の始まりだと言われている。自然災害が起きた時、人々は何が神様を怒らせたかを考えた。その原因の一つが怨霊の祟りなのである。


しかしこれらの祟りが長く語り継がれる背景には、怨霊の無念のみならず、その生涯を人々が共感し、支持し、風化させないようにとの思いが詰まっている。

祀られた怨霊は、今では逆に、人々に加護を与える神として信仰されている。

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