第18幕
夜空を歩く星飼い少女が、その手に星屑を握り締めながら、笑って駆けていく。
そのShining Smileは、まるで孤独など知らないかのようだ。
ハローハローと呼びかける声に、思わず振り返る。
視線の先には、色とりどりに飾られたツリーの周りに、子供達が無邪気な笑い声を上げて集まっていた。
その世界とは遮断されたような私は、寒空の下を歩いていく。
暗い道を歩いている途中、赤い靴を履いた、望遠鏡を担いだ天体少女が走り抜けていった。
向かうべき場所を知っているのか、その足は迷いなく進んでいく。
帰る場所すら解らない私は、また宛もなく歩き出した。
年の瀬は、訳もなく喪失感に襲われる。
そんな感覚を誤魔化すかのように、頭の中で曖昧狂想曲を奏でた。
何も変わらない今日を過ごし、また夜は明けていく。
そんな事を思いながら、新しい年に思いを馳せた。
□
星飼い少女
Shining Smile
ハローハロー
赤い靴
天体少女
曖昧狂想曲
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