第15幕
街を見下ろせる土手に座り、空を眺める。
その視線の先を、グライダーが飛んでいった。
自由に飛ぶその様は、どこまでだって行けるように見えた。
日が傾き、寒くなった遊園地で、一人乗ったジェットコースターからの景色に、どこか似ていた。
部屋の片隅に置かれた、ゼンマイ仕掛けの時計が、周りなど気にせずに、自身の時間を刻んでいる。
いつか読んだ少年小説の主人公が、ふいに笑いかけてきたような気がした。
見上げる空は、どこまでも限りなく青で、少しだけ目眩を覚えた。
そのサイケデリックノイローゼさえ起こしそうな青は、どこにも染まれない私には遠すぎるように感じた。
□
グライダー
ジェットコースター
ゼンマイ仕掛けの時計
少年小説
サイケデリックノイローゼ
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