第12幕
Dear the late manと呟いてみた。
その声は、最早会う事は出来ぬ人に聞こえるはずもなく、風に流されて、消えていった。
空を見上げると、私の心情を映したかのような、重い灰色で、その低い雲から雨粒が落ちてくる。
街を濡らす雨音を聞きながら、平日の午後を過ごす。
やがて夜になり、雨が止むと、雲の隙間から、幾筋もの光が流れた。
そのshooting starを、傘を差したまま見上げる。
まるで雨のように、流れる星は傘歌を奏でる。
そんな光から逃げるように、傘で世界を遮断する。
ぐるぐると回る思考は、膝を抱えながら泣き出す妄想少年のようだ。
Like you Not love youと呟き、曖昧にしたあの日が、今頃になって顔を出しては笑いかけてくる。
□
Dear the late man
雨音
shooting star
傘歌
妄想少年
Like you Not love you
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