03 神隠し
…やつらに誘われて、仕方なく旅館近くの心霊スポットに行くことになった。ルームメイトの由紀ちゃんがいったっきりだったが、確かに集合場所にはその姿があった。
「あっ由紀〜もうそのまま行くなら連絡しなよぉ、心配してたんだからね?」
「ごめーん、友達と話してすっかり忘れてたわ」
「はあ?ちょっとしっかりしてよね?」
彼女曰く、そうゆうことらしい。いや、、普通に心配でしかなくて落ち着けなかったからね!?例の幽霊野郎も真横にいる。が、やっぱり他に視えてそうな子はいなく、驚きもせずみんなわいわい話し込んでいる。凄い緊張してるの、ひょっとして私だけ??なんて思っていると、委員長が手を叩いて仕切りだした。
「はーい静かに、これから例の心霊スポットに行きます。参加者は総勢12名、意外と怖がりが多いのね。同じ部屋の子優先で二人組つくってください。番号順で行きますよー」
ということは…私は由紀ちゃんとか。にしても、怖がりとか一言余計なことよく挟むよな。この人はなにかとめんどくさい。どうにかなんないかなあ、その癖。小声でバレないように霊に静かにっと言ってから、ついに私達の番になった。頼むから脅かさないでね?心スポは割とガチに報告が多数あって、有名な場所だった。森ってやっぱ不気味。田舎だから虫の音がいつも煩いんだけど、何故か今夜は静まり返っていた。虫も実は怖いとかあるのかな。
「んねーねー、ほんとにこの道でいいの?」
「うん、、多分、」
何故か数回曲がるとつくはずなのに、もう何回曲がったかわからないくらい迷っている。夜だとこんなに間違えるのかな?と思っていると、うっすらライトの光の中になにか現れた。なんだと思うと、いきなり幽霊が!とビビったが、そいつは私に憑いてる霊だった。んだよ、今反応見て楽しむところじゃないよ。すると由紀ちゃんはそのすきに、どこにもいなくなった。いけない、私が目を離した隙に誰かが攫ったんだ。
「ちょ、えまって?由紀ちゃん?由紀ちゃーん?」
だがなにも返ってこない。どうしよう、でもみんなちゃんと帰ってるから、由紀ちゃんは…は!ひょっとしたら隠れていきなり現れるつもりだ!驚かせようとでもしているのかな?そう考えて、私はおもいっきり走ってみた。でもなにも起きない。本当にどっかへ行ったのか?悩んでいると、話しかけてきた。
「はあ、お前って不幸だよなあ。まあいい、教えてやるか…今、お前らは神隠しにあっている、いいな?」
「え?じゃあ由紀ちゃんも?」
確かに…それだったら返事がないことも説明つく。しかし、わかったところでなにかできるわけでもない。
「でも、どうしたら」
「そこでだ、私がお前に憑いていい代わりに助けてやろう」
「え?」
どうしよう、それでこいつが何か変なことしたら溜まったもんじゃない!でも私がどうにかできるわけじゃ…くそう、背水の陣。もうどうにでもなれ!
「わ、わかった…けど変なことはしないでね?あと、終わったらすぐでてって」
「はは、なに少し奴に会いに行くだけだ。お前でなにかするより、お前になにかしたほうが面白い」
「ひど」
「まあいい、承知した。ただすぐおわることではないな」
近づいてきて、見えなくなったらそのまま意識が遠のいてしまった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます