突然の告白

家に来てほしいと言ってから3日後の土曜日、咲那恵は少し大きい荷物を抱え西宮家に来た。

「本当に泊まっていいんですか?」

「もちろんよ!大歓迎!!でもまさかあの友達少ない桃香が友達連れて来るなんてね…」

「じゃあ早速私の部屋来て!!」

「菜祇咲ねーちゃん、その前にリビングで自己紹介。2日いるのに何も言わないのはおかしい。」

「そうやね、」

何なんだこの子は…しっかりしすぎてないか…?と思いながらリビングに向かい、椅子に座った。

「俺は碧綺。碧綺って普通に呼んで?変に気遣われてさん付けられるの嫌だし、呼び捨ての方が距離縮まるっしょ」

「私は菜祇咲。私の事も碧綺と同じく呼び捨てで!」

「私は桃香。あだ名でも付けちゃって〜」

「私は澪奈!!来週25日に誕生日!!」

「私達の事は自分の親だと思ってね?」

そんな感じでみんなに大歓迎で受け入れられた咲那恵は女子部屋で荷物整理をし、とりあえずお風呂に入ることになった。

大歓迎なのはいいけど女子4人で入るのはさすがに…と嫌がっていたけれど最終的には桃香のお母さんにうるさいと怒られる程だった。


「お風呂気持ちいい〜!!」

「でしょ〜!」

4人全員顔を熱りながら髪の毛を乾かしていた。

「桃香は私より短いからいいよね〜」

「咲那も短い方じゃない?お姉ちゃんに比べりゃ」

菜祇咲は背中が見えない程に長かった。

「菜祇咲さんはなぜ髪の毛を伸ばそうと?」

「うーん、プリンセスへの憧れ?かな笑…ていうか、敬語無し!呼ぶなら菜祇咲姉ね!!桃香は私の事呼び捨てだから〜」

「じゃあ…菜祇咲姉で!!」

「よし!それでよし!」

「それで…何のプリンセス??」

「オーロラ姫かな!可愛いよね!!今ではファッションでいるからだけどね笑」

それからゆっくり髪の毛を乾かしながら1時間程プリンセスについて語っていた。

菜祇咲はオーロラ姫、桃香は白雪姫、澪奈はエルサ、咲那恵はアナと、みんな良い散らばり具合で1時間が少ない程だった。

流石に1時間が経つとダメだと桃香のお母さんから説教を受けた。

そんな中でも3人は慣れているのかニコニコ笑っていて、咲那恵はどうするべきか迷っていて、最終的に真剣に聞くことにした。


それから桃香のお母さん手製の手巻き寿司(西宮家風)をいただいた。

具材にはお造り(まぐろ・サーモン・いか・はまち・たこ・鯛・ホタテ・いくら・蟹・牡蠣等)という名のお造りで無いものも含まれていたし、ちらし寿司、ピザなど和洋の夕食だった。

その後はというもの、咲那恵が思う以上に夕食は大変だった。

咲那恵は一人っ子なのでご飯などはいつも自分が好きな分食べられる。スイーツも同様だ。

でも…

西宮家は子供大人関係無く6人いるので、碧綺含め姉妹達はご飯の取り合い。落ち着いている暇など無い。


気が付けばおかずはほとんど残っておらず、ピザ2切程しか残っていなかった。

咲那恵は呆然としていた。


家に来る前に桃香が電話で言っていたことは本当だった。


『私が本当に大事って思ってる友達には遠慮なく関わるはずだから覚悟しててね』

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