第5話 1st BOSS COME HERE


  ディスプレイでは、二足歩行のロボットが、空を飛んでいる。


 もう、考えている時間も考察している場合でもない。


 私は、スマホを左手で操作すると、私のロボットが、画面を動く。

 しかし、こちらの操作は関係なしに、画面が強制スクロールされる。

 前後左右に動こうが、それは攻撃のための間合いを取ったり、回避やアイテムを取るための移動。

 そういう事でしょう。


 敵であろうロボットが現れたため、画面をタップする。

 私のロボットが、銃を発射する。

 画面タップで、攻撃。

 よし。

 このGAMEは、生まれたばかりの赤ちゃんの私でも、操作できるように出来ている。

 それは偶然ではない。


 右手でボタンタップによる銃撃で敵を撃破し、左手でロボットを上下左右に動かし、敵の銃撃を下げる。

 倒した敵のロボットが、コインを落とすので、拾っていく。


 C 26

 コインを取っていくと、 画面に、C26と表示されている。

 拾ったコインの数値でしょうね。

 このコインを使って、インターバルで強化といったところかしら。

 B2とも表示されているのは、まぁボムが2つでしょう。

 しかし、画面にボタンが表示されているわけではないので、タップによる入力は銃撃ボタン1つ。

 敵のロボットが、大量に出てくる。

 今までの銃撃では被弾が必須。

 なら、やるしかないわね。

 タップしたまま画面から右手を離さずにいると、爆弾のような物を私の操作するロボットが投げる。

 爆弾のような物が爆発し、敵の多数のロボットを蹴散らした。

 画面にはB1と表示されている。

 やはり、タップからの長押しで、ボム攻撃。


 【DANGER】


 私のディスプレイからも、清五郎のディスプレイからも同じアナウンスが流れる。


 【1st BOSS COME HERE】


 強制スクロールのため、清五郎も同時に1面のボスにたどり着いたようね。


 強制スクロールが止まり、1面のボスが現れる。


 即座に、ボスに密接し、画面タップを連打する。

 今までは、強制スクロールのため、進行時間は清五郎と同じだった。

 だが、ボスでは強制スクロールが止まるため、ボスを早く倒せるかどうかで、進行に差が出てくる。

 なら、そこが重要だ。

 いかに早くボスを倒すか。

 そこで、何らかの有利になるはず。


 「ほう」

 「異世界転生したばかりの異世界転生者さん」

 「察したか」

 「このゲームのシステムを」

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