第12話 寝坊する日もあるよっ! お母さん!

「んん〜むにゃむにゃ……くー……くー……」


目覚ましの音(SE)


「ん〜……」


目覚ましの音(SE)


「うるさっ……」


目覚ましの音(SE)


「せいっ!」


目覚ましが壁に当たる音(SE)


「くー……くー……」


―――――――――


「寝坊したあああああああああ!!! あぁ! どうして時計が壊れてるのよ! 誰がやったの! 私? そんなはずはないわ! これは、霊的な何かが私の時計をエクトプラズムで浮かしてドーンッと……そんなことはどうでもいいのよ!」


ふすまを開ける音(SE)


「起きなさーい!? もう家を出る時間よ! 早く、急いで全力で! どうして起こしてくれなかったのって……いつまでもお母さんに頼ってちゃダメでしょう! 自分の力で起きなさい! 急いで急いで!」


「お弁当? 今日は職場で買って食べなさい! お母さんが寝坊したとかそういう議論は帰ってきてからしなさい!」


「寝癖直して! お母さんがパジャマ姿なのは国家機密です!」


「はいっ! いってらっしゃい!!! 絶対遅刻しないようにね!」


「……どうにかなったわね……それにしても……ポメラニアン柄のパジャマ姿を見られちゃったわね……もう少し大人っぽいパジャマにしたほうがいいかしら……でもなぁ、これ気に入ってるし……」


「ふぁ……急いだから疲れちゃった……二度寝してから家のことやろうかな……くーっ……」


ふすまが開く音(SE)


「んぁ! どうしたの! スマホ忘れた! 何やってるのよ!」


「俺の布団で寝ないでじゃない! これは……ヨガをやってただけです!!」

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