第7話 仕事を探そうっ! お母さん!
バサーッ(SE)
「さぁ! この大量の求人雑誌の中から一番最高の仕事を見つけるわよっ!」
「大丈夫、起きる前からお母さんが目ぼしい求人のページには全部付箋を貼っておいたからね!」
「これなんかどう? 明るく和やかな職場だって〜従業員さんたちの笑顔がとても素敵じゃない? え? 作り笑顔すぎて怖い? そうかしら? それじゃあ次のページのこれは? 未経験者歓迎だって。劇薬作りのお手伝いでお給料もかなりいいのよ……これも怖い?」
「あのね、応募する前からそんな風にネガティブに考えてたら何も始まらないわよ? 大事なのはチャレンジ精神よ、チャレンジ精神! 今の時代は何かあったら退職代行の会社を使えばいいのよ! でもね、お母さん少し気になるんだけど、退職代行の会社の人が他の退職代行の会社に退職代行を頼んで、その人も他の退職代行の会社に頼んだら一体全体どうなるのかしら?」
「……何その『意味ないこと考えるなよ顔』! 大事なことでしょう! あっ、この求人なんかもいいじゃない?」
「ほらほら、ため息なんかつかないの。お母さんだってね、無理に働けなんて思ってないのよ? でもね、このまま家にいて何も前に進まないのはすごくもったいないことだとも思うのよ。正社員じゃなくてもいいし、短い時間でもいいから、一つだけでも応募してみようよ?」
「うんうん、お母さんの付箋以外にも気になった求人があったら折り目付けておきなさい」
「よーく考えて探しなさいね」
「さて、じゃあお母さんは少しだけお昼寝させてもらうからね……何? お昼寝もお母さんの大事な仕事の一つです! お昼寝が終わったらスーツを探したり、ワイシャツにアイロンかけたり、やることは山ほどあるんだから!」
「じゃあ……おやすみ……むにゃむにゃ……くー……くー……」
「良い仕事……見つかると良い……わね」
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