第6話 朝だよっ! お母さん!

ちゅんちゅん(SE)


「……き……な……い」


ちゅんちゅん(SE)


「起……きな……さ……い」


ちゅんちゅん(SE)


「起きなさーい!!」


バサッ(SE)


「もー! いつまで寝てるつもり! もう朝の八時よ! いつまでもグーグー寝てないの! 昨日は何時に寝たの! 嘘おっしゃい! お母さん、深夜に部屋の電気が点いてたの知ってるんだからね! 今まではいつも何時に起きてたの! 昼過ぎ! そんなに寝てたら身体がどうにかなっちゃうわよ! はいっ! 身体起こして! お布団、外に干すからどいて頂戴! これから毎日八時には起きてお布団は自分でベランダに干すこと! 毎日敷きっぱなしにしてたらすぐにカビが生え……ほらー!!!! 見てみなさいこの黒いつぶつぶ! これ全部カビですからね! あーーー! もうだめ! 一回シーツを外してオキシ漬けしてから洗濯しないと取れない! はい! 手伝って! こんなお布団で寝てたら身体がいくつあっても足りなくなるわよ!」


バサーッ!(SE)


「ゴホッ! ゴホッ! ほっ……ホコリも凄いことになってるわね……一回窓を開けて換気しないと駄目だわこりゃあ……」


「そう言えば……このお布団の片隅にある黒ずんだ塊は……何? ま、枕! これが!」


「これはただのダークマターじゃない! ちょっと! 持ち上げてこっちに投げようとしないで! 無理無理ぃ!」


―――――――――――


洗濯機の音(SE)


「やっと最後の洗濯が終わった……あの枕は本当に手強かったわ……」


「さて、朝ご飯は食べ終わったわね」


「じゃあ! 今日は仕事を一緒に探すわよ!!」


「嫌な顔しない!!!!」


続く

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