第4話 夜ご飯だよっ! お母さん!

「はいっ! 出来上がりーっ! これがお豆腐のサラダで、これはわかめの味噌汁ね。それからセールで買えた豚肉を使った、玉ねぎたっぷりの生姜焼き。横にはたっぷりのキャベツもどうぞ!」


「え? マヨネーズ? だーめ! そんなカロリーの高いものをかけたら、すぐに豚になっちゃうんだからね! お豆腐のサラダはポン酢で食べなさい! 生姜焼きにもマヨネーズは禁止ですっ!」


「それじゃあ! いただきまーす! こらっ! そんなにすぐにがっつかないの! 飲み込むのも早すぎる! おかずもご飯も最低20回は噛んでから飲み込みなさい! 消化が悪くなって下痢になるからね! ほらっ! お肉だけ先に食べないの! まずはお豆腐とお野菜を先に食べなさい!」


「おかずだけ食べ過ぎ! おかずひとくち食べたらご飯もひとくち食べて、お味噌汁も一口! 順番にきれいに食べないと、外で見られて笑われるからね!」


「ん? ご飯がいつもと違う? よくわかったわね。それは白米の中に玄米も入れてカロリーを抑えてるの。思ったより美味しいでしょ? でもおかわりしすぎたら同じになっちゃうから、食べ過ぎはだめだからね」


「はいっ、それじゃあお母さんもいただきまーす」


―――――――――――


「ふーっ……ごちそうさまでした。はいっ、おそまつさま。それじゃあ片付けしようかしらね」


「え? 洗い物してくれるの? あらっ、じゃあお母さん甘えちゃおうかしら」


水が流れる音(SE)


「あー! ダメダメ! 洗剤つけすぎ! そこ洗えてないわよ。お箸もきちんと洗いなさい! そんな水で流しただけじゃ、油がついたままでしょう! もー!」


「口うるさくありません! 洗い物もできないと、彼女の一つもできないわよ! ほらっ! 泡が飛び散ってる!」


「本当に今までどうやって生活してたのよ……でも手伝ってくれてありがとね。お母さん、とっても助かったわ」


「さて、じゃあ洗い物も終わったことだし、お風呂の準備しようかしら」


「ん? なに? デザートはないのかって? 何言ってるの! さっきアイスも食べたでしょ! ご飯もおかわりしてるし! 今日はこれ以上カロリーはとらせません! 全く、洗い物を手伝ってくれたと思ったら、そんな思惑があったのね! お母さんはそんなに甘くありません!」


「そんなに甘いものが食べたいなら、今度お母さんがプリン作ってあげるわよ」


「……そんなに喜ばなくてもいいじゃない……ふふふ……砂糖は使わないプリンだから、甘さ控えめよ。さっ、お風呂沸かしてくるから少しゆっくりしてなさい」


「プリンであんなに喜んでくれるなんて……よーしっ! お母さん頑張っちゃおうっと!」

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