第3話 お買い物だよっ! お母さん!
「お買い物っ、お買い物っ、ふふふふーん、ふふふふふーん」
「今日は何が食べたい? ハンバーグ? オムライス?」
「『何でもいい』が一番困るんだよ! 何か食べたいものないの? トンカツ? 揚げ物は一週間に一回だけ! 油ですぐに太っちゃうんだからね! ほらっ! 車が危ないから手を繋ごう! 恥ずかしい? お母さんと何だから、何が恥ずかしいって言うのよ! ほらっ! 手っ!」
「周りに見られてるって? 『仲の良い親子だねー』ってみんな見てるだけよ。お母さんは何も気にならないわよ。ほらっ、話してたらもうスーパーに着いたじゃない」
「それじゃあ、今日の夜は豚の生姜焼きにしようかしら。でもお肉だけだと身体によくないから、まずは野菜を買うからね。ご飯を食べるときは、最初に必ず野菜を食べてから他のものを食べること!」
「あらっ、今年はキャベツが高いのねー。ほら見て、半玉でもこんな値段だわ。本当に何でも高くなっていくわねー。もうお母さんのお給料じゃもやししか買えない時代になっちゃったわね」
「タイムセール! 豚肉九割引きだよー! お一人様ワンパック限定」(SE)
「はっ! タイムセール!!! 急いで! 走るわよっ!! 一人一パック絶対に手に入れるわよっ!」
「くっ! すごい人の数! しっかり手を繋いどいてね! 行くわよっ!」
「まずは……一パック……もう一つ……あっ……」
「あっ……危なかった……あのままだったら倒れて怪我してたかもしれない。抱き寄せてくれてありがとうね。お母さん助かっちゃった。あ……でもお肉……一人で行ってくるからここで待っててって? 大丈夫? 怪我しないでね」
「ふふっ……意外と頼もしいのね」
「ありがとう。これで後は玉ねぎと調味料を買えばオッケーね。そうだっ!買い物に付き合ってくれたからアイスも買って帰り道に食べよう!」
「あー! ダメダメ! アイス一人一つなんてお金がいくらあっても足りないわよ! これっ! これにしなさい! パ◯コ! これなら二人で一つの値段で買えるんだから!」
「ありがとうございましたー」(SE)
「はいっ! はんぶんこ!」
「最終的にこれが一番美味しいわよね。さて、帰ったら夜ご飯の準備もよろしくね♪」
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