第2話 大掃除だよっ! お母さん!

「お掃除♪ お掃除♪ ふんふんふん♪ キレイにしましょうルンルンルン♪ ちょっと! 少しはお母さんの掃除を手伝いなさい! 床のゴミを集めるからテーブルを端っこに移動して。男の子だから力あるでしょ?」


ガタッガタッガタッゴッゴッゴッ(SE)


「ちょっと! テーブルをそのまま引きずったら床に傷がついちゃうでしょう! 引っ越す時に余計なお金がかかるんだよっ! 知らなかったじゃすまないの! ほらっ! きちんとテーブルを持ち上げて壁際に置いといてね」


「はい、ありがとう。じゃあ、次はこのゴミ袋を持って燃えるゴミを入れてきましょう」


ポイッポイッポイッ(SE)


「ちがーう! ペットボトルは蓋と外側のラベルを剥がして燃えるゴミの袋に入れるの! 本体は資源ごみだからこの袋にまとめて入れてね!」


スカカカカーン(SE)


「ふぅ……これで床に落ちてるゴミは拾い終わったわね……じゃあ次は……うわぁ……」


ゴゴゴゴゴゴゴ(SE)


「どうすれば台所がこんな魔窟になるの! 本当に世話のかかる息子なんだから! プンプン! もしかして……」


冷蔵庫を開ける音(SE)


「!!!!!! きゃーーーー!!!!」


コバエが飛ぶ音(SE)


「虫はだめ! 本当にだめ! 無理! 早く! 早く退治して! お願い! お母さんの一生のお願い!!」


虫除けスプレーを射出する音(SE)


「はぁ……はぁ……死ぬかと思った……抱きついちゃってごめんね……よしっ! 気を取り直して台所の掃除をするわよ! 冷蔵庫は怖いから任せたからね!」


ゴシゴシキュッキュッ(SE)


「ふーっこんな所かしらね。冷蔵庫も終わった? ……よしっお疲れ様それじゃあ少し休憩してから夜ご飯の買い物に行くからね」


「なに? 面倒くさい? ウーバーイーツで注文する? あー! ダメダメ! きちんとお家でご飯を作って食べないと身体を壊す元! お母さんがいる間はカップラーメンもお菓子も禁止だから覚悟しておきなさい! それにしても動いたから暑いわね……」


胸元をパタパタする音(SE)


「扇風機ないの? エアコン? あー! ダメダメ! エアコンの風が一番身体に悪いんだからね! エアコンを付けていいのは8月になってから! 寝る時も扇風機だけにしておきなさい! 扇風機の風も身体に当たらないようにつけなさい!」


「お母さんの言うことは絶対!!」

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