今日から私がお母さん！！！

第1話 お母さんがやってきた

ドアをノックする音（SE）

「こんにちはー（ドア越しの小さな声）」

「･･･いないのかな？（ドア越しの小さな声）」

ドアをノックする音（SE）

ドアが開く音（SE）

「あ･･････パンパカパーン！　大当たりー！！」

静かにドアを閉める音（SE）

「えっ！　ちょっと！　開けてー！　開けてー！（ドア越しの小さな声）」

ドアを叩く音（SE）

ドアを開ける音（SE）

「もー急に閉めないでよ、お母さんビックリしちゃったじゃない！」

「え？　どなたですかって？　あれ？　ここやわらぎ荘の１０３号室ですよね？　うん、間違いない。もしかして郵送された手紙読んでません？　あっ！」

紙のガサガサとした音（SE）

「あー届いた郵便物、全部ポストに入れっぱなしになってるじゃない！　もー！　これ！」

手紙を開けるカサカサとした音（SE）

「手紙には書いてあるけど、私から口頭で説明するからよく聞いといてね！　今回、貴方は国家大規模プロジェクト『お母さん同居大作戦』の被験者に選ばれました。なので今日から一年間、私が貴方のお母さんになります！　この一年間で貴方は立派な社会人として自立した生活を送れるように、お母さんがビシバシ教育していきますので覚悟しなさい！」

「なに？　お母さんのわりに身体が小さい？　いいの！　身体が小さくてもお母さんはお母さんです！」

「年齢も自分と変わらないじゃないかって？　お母さんってのは年齢じゃないの！　お母さんはお母さんだからお母さんなんだからね！　こらっ！　お母さんの頭をポンポンしないでっ！　･･････それにしても･･････何ですかこのゴミ屋敷はっ！　こんなんだから郵便物もポストに入れっぱなしになるのよ！　全く！　お母さんもいつまでも元気なわけじゃないんだからしっかりしてほしいものだわ！　まずは部屋の掃除から始めるわよ！」

ドンガラガッシャーン！（SE）

「あいたたたた、何で床に郵便物が散らかってるのよ･･････あーっ！」

スカートが擦れる音（SE）

「い、今、見えた？　別にお母さんの下着なんだから見えても、恥ずかしくないわよね！　はいっ！　お掃除お掃除！　･･････今日何履いてたっけ･･････」