第35話

待ちに待った 赤ちゃんが生まれたその日、あんちゃんは家を出て行った。


……離婚

そして引っ越し……


夏姉と私と、女4人の生活は、この家から始まった。

姉の 名前はミク 妹の名前は クミ

夏姉が産んだ赤ちゃんは可愛い双子の女の子だった。

私は、嬉しくて毎日毎日幸せな気分だった。


「 それにしても女の子は父親によく似ると言うけれど 本当に 似てるわよね、 それも2人とも」

「そうだよね、夏姉に似た方が良かったのにねっ、けど2人とも可愛い顔だから花丸じゃない?」

「ゆりも、こんな可愛いい 顔で生まれたかったなぁ~」

「 あんたはその顔でいいのよ」と夏姉が ストレートに 言ってくれて私はとても嬉しかった。


「ゆり、これからも色んな事あるけど、そばに居て助けてもらうからね、 あんたは今まで通り私の言うことを聞いていれば、それでいいのよ」

夏姉の 淡々と話す口調に、 今まで感じたことのない 空気が漂っていた。


「そうよっ、私が離婚して あの人を捨てる予定だったのに ……」

夏姉が 友達と携帯電話で話していたのを盗み聞きしてしまった。

1時間ぐらいしてから 電話が終わり

夏姉が、勉強中の 私に近づいてきた。








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