第34話

「夏実 おめでとうでいいのかな?」

「 いいに決まってるじゃん!ね?」

「なっち! よくやった おめでとう!」

「 何が よくやったのよ」

「 そうよっ!ったく!話が違うじゃないのっ」

「 怒るところ?」

「そおよ、 ほら黙たままじゃん夏実」

「ごめんごめん……ね」


「 みんなの言う通りよね、 何やってるんだか私」


「あんた、それ何飲んでるの?」

「秘密、シッー、 お静かに」

「何言ってんのよ夏実、 それ一口ちょうだい」

「や~だっ。あげない」

「なっち、 もう1杯 お代わり下さい!」

「良かった、それ美味しいよね」と言いながら、夏姉が 自分の持っていたグラスをテーブルに置いて立ち上がった。

その瞬間、夏姉のグラスを友達が 一気に飲み干した。

なんで、意地悪するんだろうと思っていた私に、「ゆりちゃん、これお酒よ。今、戻って来たら叱っておくから大丈夫よ。テレビつけて良いからね、ゲームしていいのよ」

「でも、さっき夏姉が駄目だって…」

「いいから、しなさい。大丈夫よ」

「じゃあ、やるっ」と私は、その友達の横に座ってゲームを始めた。


友達のお代わりと、お菓子の追加を持って戻ってきた夏姉は、すぐさま、その友達から怒られていた。

「わかったわかった」笑いながら返事をしていた。

返事は、1回だよと私は呟いた。


今日は、みんなが、お祝いしてくれているのに、何故か夏姉が動いている。 いつものことだけど……夏姉は、いつも動いている。 じっとしているのは苦手だからと、言っているから、 友達もきっと それを知っているのだろう。お腹大丈夫なのかと、私はちょっと心配になっていた。 元気な赤ちゃんを産んでもらいたいから!







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