第33話

あの交通事故で、あんちゃんは背中を悪くしてしまい今入院している。夏姉は、足に怪我をしているし、この家で大活躍の私なんだ!


「ごめんね、ゆり」

「何が?」

「早くもとに戻れるようにするからね」

「大丈夫だよ、このままで」

「あ……私が松葉杖の方が、都合がいーかぁ~」

「違う違う、そうじゃないよ」

「焦らなくても大丈夫よ、感謝してるから」

「本当に?怒ってない?」

「ん~たぶんね」と、軽く笑う夏姉は、やっぱり綺麗だった。

「できたぁ、味見して夏姉」

「ん~入れすぎよ、お水足して調整ね」

「濃いかぁ、はいはい」

「じゃなくて、はいでしたぁ。お水入れました!」

「まったく、返事は1度だって教えているのに」

「あのさぁ、夏姉?……離婚するの?……あんちゃん捨てられるのかぁ……私と夏姉は、どうなるの?」

「お味噌汁作りながら、する話なの?ゆり」

「もう、お味噌汁は終わったもん」

と、私は鍋に蓋をして夏姉を見た。


「簡単じゃないのよ」

「ふぅ~ん」

「子供がね、いるみたいなのよ」

夏姉は、お腹を擦りながら私の顔を見た。「事故にあっても無事で……」

「はっ?夏姉何言ってるの?」頭が追いつかないまま私は、夏姉のお腹を凝視した。









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る