第21話
「お、おはよう…な、夏姉…」と、昨日の今日で、私は怯えていた。
「あっ、おはよう」と、いつもの夏姉に、ほっとした。
「顔洗ってくるね」
「終わったら、私のところに、いらっしゃい」
「うん、わかったぁ!」何だろう朝から?…そう思いながら急いで洗顔を済ませ、夏姉のところに行った。
夏姉は、足を組んで新聞を読んでいた。
「なによ、その顔、言いたいことがあるなら、ちゃんと言いなさい」
「こっちは、昨夜のお酒が、少し残っていて、頭は痛いし、なんだか体が疲れているし、新聞見ても今朝は、いまいち調子が悪いんだから」と、だるそうにしていた。
「なんでもないよ、ごめん」
「謝ることは無いけど、ほら、足に薬つけるから出しなさい」と、クリームの蓋を開けながら、私を見る夏姉は優しい顔をしていた。
「早く、あし!」
「うん、はいっ」
クリームをゆっくり優しく指で、つける夏姉に、私はドキドキした…好きだなぁ夏姉が……
「ねぇ夏姉、お尻痛過ぎだから、嫌だなぁ、それつけるの、駄目?つけなきゃ?」
「お尻?痛い?見せてごらん大袈裟ね」
「だよね、うん、大丈夫つけないでも」良かった!無理矢理つけるのかと思っていたから、あぁ良かった!と安堵した瞬間
「ゆり、痛いなら、お尻だしなさい」と、腕をつかまれた。
「ぅうん」と返事をして、しぶしぶ私は夏姉の前に立ち、ヒリヒリ痛いお尻を広げた。
「パチン」とぶたれた。何でだ?
「ゆり、なんの真似?」怒ってしまった。やばいやばい!
私は、頑張って、ちゃんと広げ直して「ごめんなさい」と謝った。
夏姉は、突然椅子から立ち上がり「いい加減にしなさいっ!!!」と、ヒステリックな声を出した。
「なんて子なの!あんたって子は!こっちにいらっしゃい!!!」と、私は腕を引っ張られ、力ずくで玄関に連れていかれた。
「痛いよ、嫌だよ、夏姉ごめんなさい」無駄な抵抗だった……敵うわけがない。
でも、なんで?こうなる?なんで?私は混乱していた。
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