第20話 辛い夜🔲

「布団の中で、懲らしめると言ったでしょう」

「うんうん、意味が分からないけど、夏姉の好きにして良いよ!」

「ん!!なによ、その言い方…」

「ごめん、違う違う、間違った!」私は、咄嗟に両手で、ほっぺたを隠していた。

「ば~ぁ~かっ」と夏姉は、優しく笑ってくれた。


布団の中で、足が絡み合う、足の長さの違いで、いつも私は押さえつけられ、あまり動かす事が、できない。

「今夜は、う、つ、ぶ、せ、よ」と、言われたから、私は素直にうつ伏せになる。

「今夜のは、すごぉーく、痛いわよ、耐えられるかしらねぇ」と夏姉は私の下半身をスルリと裸にして、優しく私の腰を撫でた。

「わぁ~」「何するの?」「怖いよ夏姉」「やだ」何を言っても返事をしてくれない。

「さてとぉ、悪い子供には、お灸を据えます。泣かないで我慢しなさい!お尻あげるっ!!」と語尾が強まり尻をバチンと1発叩かれた。

私は、言う通りにした。



夏姉の機嫌が悪くなるのも、怒らすのも、私は、したくないのに馬鹿だから、どうしてもやっちゃう…そう思うと悲しくなる。だから、我慢して、褒めてもらいたい……

「夏姉、今夜の頑張れたら褒めてくれる?」と甘えた声で私は言った。

「そうね褒めてあげる、無理だと思うけど…」と、夏姉の声は意地悪だった。

「お尻上げたままよ、わかった?」

「うん、わかった!!」

夏姉が、お尻の間に何か冷たい物を当ててくる、あれ?お灸は熱いはず……何かへんだな、、、

「じゃあ、辛い時間の始まりね、ゆりちゃん」と夏姉が言ってる最中に、もう、なんだか痛い…浣腸してるのかなぁ…と不思議に思っていたら、いっきに痛さが追ってきた!

 私は、悲鳴をあげた。

「ギャア~~~~~!!!」

「ぃーやーあぁぁぁー!痛っ痛っ!」

生まれてはじめての痛みに、狂いそうだった。

いったい、何がおこったのか分からないまま、私はパニックになった。

 できる限り体を動かして、痛みから逃げようとした。

「お行儀が悪いっ!」と言いながら、「バチーン!!」と、お尻をぶたれ、「動かないっ!!!」と怒鳴られる。ぶたれた瞬間、痛さが増していく。

「ギィャアツ~~~!!!!!!」

うつ伏せで、息が苦しかった。

お尻を振っても腰を振っても、痛さは紛れなかった。



数分後「おしまい」と、地獄の時間は、終了した。

や、や、やっと終わった……

「うつ伏せのまま、手、あげなさい」と、夏姉のいつもの声に安心する。息苦しい……嫌だ!と言いたいが声がでない。おしまい?じゃないの?……

ぐっーと、両手が縛られ、ますます動けない。

「次は、あ、し、」と言いながら、夏姉は、私の尻が上がるように、足を固定した。

絶望的に動けなくなる……

こんな格好は、したことが無い。

あぁ、恥ずかしい、凄く恥ずかしいい、夏姉どうしちゃったの?と、悲しみまでもが、わいてくる。

まだ、お尻が痛いよぉ…………

終わりじゃないの?夏姉くるしいよ…………

「あぁ、はじめから拘束するべきだったわね、暑い」

「疲れたわ、少し休んでくるわ」と夏姉は、内庭に出て行った。

10分くらい経過したのか、夏姉が戻って来た。やだ、来ないで夏姉。


「体動かしすぎよ。疲れるわ!」

「ごめんなさい。いい子にするから、もう許してぇ、お願い」


「たけしに、恋人がいるの、知らないでしょう」

私は、突然の話に戸惑った。

 「え、嘘だぁ」

「キャンプの時いたのよ、夜は、その彼とテントで、仲良くしてたはずよ」

「だけど、私が気が付いていることは秘密よ」

「…わ、わかった。言わないけど、本当に?男なのに、男の人が好きなんて変だよぉ!」訳が分からない私は、動揺していた。

「結婚する時、約束したのに、浮気はしなと」

「約束は守らないと、駄目よね?ゆりちゃん?」

「は、はい、そぉうです。ごっ、ごめんな、さい…」

 夏姉の異様な目つきに震えた。

「妹の面倒を私に任せて、自分は好き放題」

「馬鹿な男っ!馬鹿馬鹿馬鹿!!…………ゆりまで、約束破るなんて困ったものねぇ……言い付けも忘れる?駄目じゃないの?私が居ないと何も出来ないくせに、私に馬鹿なんて言ったりねぇ……」


「離婚は考えているけど、簡単にはしない。せめて妹を、私好みに教育してから別れる予定よ。私が満足するまで、ゆりは厳しく躾していくから、震えても無駄。まだ許しません」と言いながら、夏姉は、私の尻を撫でた。「こんな目に遭うのも、あんちゃんのせいかもねぇ」

「可哀想だけど、さあ、もう少し反省しなさいね。ゆり」


そして、再びきた地獄の時間。


  

やっと終わり……

「これからは、気を付けて生活することね」

「ん、ん、ん、あいっ!」とぐちゃぐちゃの顔で、謝った。



「薬つけるから、痛いところ、自分で広げなさい」と言われ、私は、泣きながら、お尻を広げた。

薬を付けられた私は、しみる痛さに声をあげた。

「わめくと、もう1度、お尻で反省ですよ」と、私の耳元で静かに夏姉が言った。

私は、必死に、泣くのをやめた。


あんちゃんなんて、大嫌い……あんちゃんが夏姉をこんなふうにしたんだからっ…









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