山肌にも干してある衣にもシミなど見つけられない、あぁ夏だ

〇〇二

 春過ぎて夏来にけらし白妙しろたえの衣ほすてふ天の香具山 【持統天皇】


夏のうた。

清々しい夏の訪れを、背景に香具山の緑、山のふもとの家々で干している真っ白の着物、という景色で感じているうた。

大海人皇子おおあまのみこ(のちの天武天皇)に嫁ぎ、政治について助言した。天武天皇が亡くなったあと、皇位継承者に考えていた息子・草壁皇子くさかべのみこも亡くなってしまった。なので自ら即位し、孫(のちの文武天皇)が即位するまで政務を執った。

持統天皇は天武天皇の政策を引き継ぎ、藤原京の造営を行った。香具山は、畝傍山うねびやま耳成山みみなしやまと合わせて大和三山を呼ばれ、この三山に囲まれた場所に藤原京は置かれた。持統天皇はどのような思いで香具山を眺めたのだろうか?


 ・山肌にも干してある衣にもシミなど見つけられない、あぁ夏だ


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