第5話 軍神の凄テク

ガラガラッ。


壁の中から謙信立ち上がる!!しかし、ダメージは凄いぞ!!!!頭からも血が流れ、内臓をやられたようでひどい吐血だぁああ!!!!


「まだまだ行くぜ、登龍拳奥義・飢死魔龍炳(うえしまりゅうへい)!!!!」


更に奥義を繰り出す元春!!!!殺す気はないと言ってましたが、これは死んでしまうのでは!


竜宮棲壊謳歌リュークスカイオウカ!!龍灰塵ドラゴンアッシュ!!!!鬼龍羅斬キルラキル!!!!」


登龍拳奥義で上杉謙信をリンチする!!!!!!第一回戦!!!こんな上杉謙信は見たくはなかった!!!!!


「ふぅー、ふぅー、ふぅー、ふぅー」


まだ立っている上杉謙信!逆に凄いなおい!!!!


「はぁ、はぁ、はぁ、」


お?吉川元春、ここで拳を下ろし、観覧客をじっと見渡し始めた!!応援に来ている広島県民の姿を見ているぞ!?どうしたどうした!?


「もういいぜ。俺のターンは終わりだ」

「ふぅー……良いのか?」

「仕方ねえさ、広島のみんなが複雑そうな顔してやがる。これでいいのかって。それに、これで勝ってもたしかに癪だからな。あんたのとっておき見せてみろ」

「本当に良いのだな?……死ぬぞ?」

「あ、先に言っとくが俺は防御するぞ!?」

「構わん。だが、後悔するぞ。ここで手を止めてしまったことを」


***************************************


山梨県チーム控え室。


「謙信め。相変わらずの頑固者だのぉ。自分の流儀を通そうとして死にかけておるわ」

「この分では、御屋形様が謙信公と当たることはなさそうですな」


モニターを眺めるは、上杉謙信の宿敵であり、生涯の友、武田信玄。山梨県代表に選ばれた、信濃国の戦国大名、ご存知≪甲斐の虎≫である。そばに仕える眼帯の醜男は、武田家軍師・山本勘助。


「いや、謙信が剣を振れば、あの鯉ザムライも一巻の終わりよ」

「まさか。ここから勝てますか?」

「馬鹿者。奴は、戦国最強の軍神ぞ?」

「「「「「「「「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!」」」」」」」」

「!?」

「なんちゅう特殊能力を賜っとるんだあいつは」


***************************************

「「「「「「「「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!」」」」」」」」


絶景です!!!!!!空中に巨大な刀たちが、謙信公を中心にして、円を描くように浮遊しております!!!!その数、三十五本!!!!


「我が賜りし特殊能力は、上杉家御手選三十五腰おてえらびさんじゅうごよう天与てんよ


そういえば、上杉謙信、大の愛刀家で有名なんですね!!存命中、彼が選び抜いた名刀は、上杉家御手選三十五腰と呼ばれていたんだとか!!!!!


「天界にて選りすぐった三十五本を、我は召喚し、意のままに操る能力、それが上杉家御手選三十五腰・天与」

「あの、やっぱり俺のターン続けていい?」

「これにて終幕だ。降龍殺戮舞刃!!!!!!!!!!!!!」


なんてこったああ!!!!!!!謙信の言葉に従って、三十五本の名刀が、雨のように降り注ぐぅうううううう!!!!!!!!!!!!


ブシュブシュブシュブシュブシュブシュブシュブシュ!!!!!!!!!!!!!!!!!!


頭は守った元春!防ぎきれなかった降龍殺戮舞刃によって、真っ赤な鎧はさらなる生々しい血の色に染まっております!!!!


「反則だろぉ」

「ふん、ゆえに云った。刀を取れ、と」


刀たちが謙信の手元に戻った!!まるで龍の如く、妖しく浮いています!!!


「飛龍一閃舞刃!!!!」


今度はまっすぐ、アーチェリーの矢の如く!!!三十五本が放たれた!!!!両腕でガードを固め、耐えしのぐ元春!!!龍魚之呪帯のおかげで、防御力も上がっているようです!!!


「痛いもんは痛いけどな、畜生!!!」


切り刻まれ、血まみれの両腕!!!吉川元春、ボロ雑巾のようにズタボロです!!!!!


「しゃーねえ、このままじゃ、ラチがあかねえ」

「!?」


謙信も驚いています!!!元春、防御の構えを解いたあああ!!!!!!!!


「死ぬ覚悟が出来たのか、あるいは、自暴自棄か」

「うるせえ、来いよ≪越後の龍≫」

「ならば、これで終わりにしよう」


お!!!!!今度は謙信が漆黒に輝きだしました!!!!これは利休さん!?


「覇気やね」


やっぱり!!!!!謙信の黒い覇気が、上杉家御手選三十五腰・天与にも宿っていきます!!!これは清ちゃん!


「はい!!!必殺技が炸裂しそうな予感ありありです!いとをかし!!!!」

漆黒竜神喰殺舞刃しっこくりゅうじんじきさつぶじん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


漆黒に煌めく名刀三十五本!!!!!!うねる龍が如く軌道で、元春を襲います!!!!!!!


「いつだって、考えるのは隆景(おとうと)の仕事だった。俺は!!!!!!」


――敵を、たいらげるだけだ!!!!!!!!!


迫りくる刀の群れに、ノーガードで突進していく元春!!!!!!


ブスグサドシュビシャザシュドシャグシャバシャアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!


三十五本、全てが元春に突き刺さり、針鼠のように無残な姿に!!!!元春、生きているのか!!!


「ひゅぅ、ひゅぅ、」

「其方、化け物か」


元春、満身創痍、絶体絶命の様相で歩を進め、謙信の眼前に!!!!!!


「登龍拳最終奥義・登竜門!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!!!!!


真っ赤に燦然と輝く右拳で、渾身のアッパーカット!!!!!!!!!!!!上杉謙信、宙に舞う!!!!!!!!!!!!!

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