第3話 新潟代表【越後の龍】上杉謙信

んもぐもぐもぐっ!!!んもぐもぐもぐっ!んもぐもぐもぐっ!んもぐもぐもぐっ!!!!


凄い勢いで、大量の握り飯を食らう、≪越後の龍≫上杉謙信。

瞑想を終え、決戦のときに備え、腹ごしらえをしているのだ!!!!!!


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新潟代表【越後の龍】上杉謙信

その名を知らぬ者はいない、越後国の戦国大名。「川中島の戦い」における宿敵・武田信玄との一騎打ちはあまりにも有名。

室町幕府が設置した鎌倉府長官・鎌倉公方の補佐役とされる「関東管領」を務め、私利私欲の戦をしなかったとされる≪義の将≫。

また、戦上手としても知られ、越後国内(新潟)で五戦、北条・小田原 (神奈川) 方面四十三戦、武田・信濃 (長野) の合戦六戦、信長が進出してきた北陸 (富山) 方面十七戦を合わせた、計七十一戦の戦績は、61勝2敗8分とされている。

優勝最有力候補の一人。

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西国無敗の男、吉川元春に対するは、61勝2敗8分、戦勝率97%の軍神、東国無敗(ほぼ)の越後の龍!!戦国を代表する東西のいくさ人が並び立つカードとなった偉人決戦第一回戦!!


しょっぱなから熱い戦いが予想されます!!!!!知名度では断トツで新潟に軍配があがりそうですが、いかがでしょう、足利義満さん!?


「そうね、謙信くんは、室町幕府(うち)の官職も引き受けてくれたし、どうしても贔屓目で見ちゃうな」


新潟に勝ってほしい、と?なるほどです!ただ、今回のタイマンは知名度以上に、特殊能力が勝敗の限りを握るんです!説明お願いします清ちゃん!


「はい!清少納言から説明させていただきます!47都道府県を代表する皆さんは、生きた時代も、元々のスペックも大きく異なりますので、それを補うべく、天界の皆様から、各代表者に、特殊能力を賜りました!!!こちらをご覧ください!!!!!」


吉川元春

特殊能力:龍魚之呪帯


上杉謙信

特殊能力:上杉家御手選三十五腰・天与


能力名だけではどんな能力かさっぱりですが、どうなんでしょう清ちゃん!?


「私もまったくわかりません(笑)お二人が、どんな能力、技を繰り出すのか!そこにも注目です!それでは、CMの後、いよいよ偉人決戦四十七傑!第一回戦!!! 【 広島 VS 新潟 】です!」


「「「「「「「「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!」」」」」」」」


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何だこの高揚感はよ。


広島代表・吉川元春は、真っ白な包帯を両拳にギチギチに巻いて、スタンバイしている。上下とも、深紅の特注鎧(動きやすいように軽量化されている)となっていて、背中と正面胸部には、広島代表に相応しい『鯉(カープ)』の紋章(エンブレム)があしらわれている。袖はなく、鍛え上げられたバキバキの腕が露出していた。


腹いっぱいになって、やっとこの戦の面白さを肌で感じられるようになってきやがった。西までその名を轟かせた≪越後の龍≫と今からやりあえるとはな。

……きっとあちらさんは俺のことを知らねえだろうな。どころか、歴史好きの変わり者くらいにしか、俺のことは知られていない。


わくわくするぜ、親父。


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「ふむ」


新潟代表・上杉謙信が、対戦相手のいる方角から発せられる覇気を感じ取った。


久方ぶりだな、信玄に並ぶ覇気の持ち主とまみえるのは。


法衣の上に、漆黒の甲冑をまとい、口元はおなじみの白の袈裟で隠す。手には、神より賜った特殊能力で召喚した大剣。そして謙信の背中には、新潟市の鳥、『白鳥』のエンブレムが。


越後、いやさ、新潟県民たちの誇りを守るため。彼等からの信頼に報いるという大義のため。


「悪いな、強き者よ」


勝つのは我なり。


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