第一章12話『藍爛然と朱爛然』
少女が
不安からか、
「
「ん? これはウチの
何をしているのかぼかされた
だが彼女の余裕のなさそうな表情と口調に渋々納得した少女は
背中に背負った
すると矢は木をすり抜けて消え、矢の当たった箇所を中心に一瞬にして氷結が伝播する。
その一連を横目で見ていた
「どうだった?」
「それやと人より周りの
口ではそういったものの、
――しかし、彼女はなぜか少女を
そしてそれが理由かはわからないが、彼女は次に突拍子もない質問を少女に投げかける。
「それはそうとあんた自分になんか違和感ないん?」
「違和感? 別になんともないよ?」
「さよか、それやったらええわ」
それから
彼女が大がかりな仕掛けを施している最中、一方の
大の大人がそんな奇行に出ていれば一人浮くこと間違いなしだが、容姿然り幼い少女だから許されるみたいなところは正直ある。
そんな少女の行動を簡潔に説明すれば、具現化した矢を複数本使ってジャグリングのようなことをしてみたり、かと思えば今度はバトンのように手の甲で矢をくるくるさせてみたりと無観客の中一人芸を披露していた。
突っ込み役に回れる
――だがしかし、今この場に彼女はいない。
その時、そんな二人を木の上から眺める一人の女性がいた。
彼女は
そして地面に飛び降りると敵意をむき出しにし、振り返る二人を
「新顔がいるなぁ、あたしは
次の瞬間、男勝りの女性は背後の木々を一瞬で燃やし、辺り一帯を火の海に変えていく。
しかしそれを予測していた
「
「相変わらずやな。戦闘第一会話は二の次、読みやすいで」
男勝りな女性はアクロバティックな動きで
「――だがお前はお呼びじゃねぇ。あたしらの勝負に水を差すってんならまずはお前から焼いてやる! あたしの炎で焼け死にな!!」
しかし
(――っ、なにこれ?? 水の中なのになんで息ができるの? ううん、そんなことより私も戦わないと……)
「チッ! このあたしが
「かはっ――」
その強力な蹴りは男勝りの女性の腹部に直撃すると彼女を遥か後方へと吹き飛ばし、それを目視にて確認した
「いったん立て直すで、安全地まで下がり。
「やだ!」
――しかし、ここで予想に反して反発した
まさかこのタイミングで反発するとは思っておらず、一瞬焦りの表情を浮かべる
しかし彼女はすぐに機転を利かし、今度は安全地まで下がるよう伝え直す。
「なっ?! 今のあんたに選択肢はないで――っと、ひとまず話は後や。このままやと不利になりかねへんし安全地までは下がってもらうで」
すると少女は心配そうな眼差しで何か言いたげな視線を
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