第一章8話『大まかな輪郭』
「大体あなたはいつも
「そうですよ! ただでさえ
一方的な弾丸トークになりかねない熱を帯びた言葉が立て続けに二人から飛んでくる。
この時、
「それはちゃうで、ようできた従者がおるから頼りにしてたんや」
「全く、あなたって人は……いつも都合がいいんですから」
シエナは
そして、それは
その様子を静かに見ていた
(血が繋がってないって言ってたけどみんなとっても楽しそうでまるで家族みたい。私もあんな風に――)
「ちょい落ち着き、まだ話は終わってないで。そういえば二人ともえらい距離歩いてここまで来たんやってなぁ。疲れてるやろ? そこ、座ってええよ」
そう言って
椅子は二人分用意されていて、おそらくお茶菓子の前に疲れているであろう二人のためにシエナが準備してくれたのだろう。
するとシエナは照れ臭そうにしながら「……どうも」と一言答えると、彼女はスッと二歩三歩と後退していく。
相変わらずの素っ気ない態度だったが、その様子を微笑ましそうに見ていた
そして全員がお茶菓子を食べ終えると彼女は再び話し出す。
「ほんなら改めて自己紹介しよか。ウチは
机を挟んだ対面から見た
手入れに一切の妥協を許さないのだろうことを感じさせるその髪は一本一本にまで神経が通っているかのような、それぞれに独立した凛々しさが宿っていた。
顔立ちは社交的の言葉そのままに、笑顔の似合うたおやかな顔。
服装は群青色を基調とした軽装で、その上には薄い羽織を、腰には長くも短くもない刀を携えている。
「
「おっ、意外と鋭いやん。
一人取り残されている少女に最後まで懇切丁寧に説明をしてくれる彼女の姿に
しかし一方でそんな彼女は何を思ったのか、次に控える二つ目の話をある人物に説明させる。
「ほんなら後継の件は…そうやなぁ。
「えぇぇぇ!!」
「やれやれ……」
ここに来て
そんな二人を見た
しかし主君である
「ここ、
と、気まずそうに話を切り出す
辛うじて部屋の空気は保たれているものの、少女の反応次第ではいつ気まずい空気に飲まれてもおかしくないこの状況。
沈黙という名の淀んだ空気が徐々に室内を満たしていく中、突如シエナは障子を半開きにし、部屋の空気を喚起する。
……のかと思いきや。
そのままシエナは部屋の外に上半身を乗り出すと、障子の外側に立て掛けていた一本の白銀(しろがね)色の弓を手に取り再び室内に戻ってくる。
(シエナさん今、身体伸びてなかった??!)
猫の性質が反映された特殊体質なのか、
――ただ、そう見えただけかもしれないが。
そんなことを考えていると当の本人、シエナが近付いてきて彼女は
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