第2話 ぐっもーにん!

 朝起きると…


「ソラちゃん、起きて!」


 フーガちゃんの声で目が覚めたの。でもね、まだ眠くて…


「んー…もう少し…」


 私はまだまだ眠くってモゾモゾとお布団にもぐりこんだの。そしたらね、


「もう!しょうがないわね」


 フーガちゃんが私の布団に潜り込んできたの!


「わっ!フーガちゃん、くすぐったいよ~」


 フーガちゃんの髪が私の頬にふわっと触れて、なんだかドキドキしちゃった。


「ほら、起きないと遅刻しちゃうわよ。今日から学校でしょ?」


 そうだった!今日から私も地上の学校に行くんだった。


「わぁ!地上の制服かわいい〜!」


 私は興味津々で制服を眺めたの。でも、着替えてたら…


「あの、ソラちゃん。ボタンが違う穴に入ってるわよ」


「えっ!?あ、ほんとだ…」


 フーガちゃんが近づいてきて、私のボタンを直してくれたの。フーガちゃんの指が私の胸に触れて、なんだかくすぐったくて…


「これでOKよ。ねえ、ソラちゃん、顔赤いわよ?熱でもあるの?」


 フーガちゃんが心配そうに私の額に手を当ててくれた。


「う、ううん!大丈夫だよ!」


 慌てて答えた。フーガちゃんの優しさに、胸がキュンってなっちゃうんだ。



 急いで制服に着替えて、朝ごはんを食べたら、学校に向かったの。



 道すがら、私はワクワクしながらキョロキョロ。


「ねぇねぇフーガちゃん、あの大きな箱みたいなのは何?」


「あれは車よ。人を乗せて速く移動できるの」


「へぇー!空の国にはないなぁ。フーガちゃんは何でも知ってるね、すごいな…」


 フーガちゃんは少し照れくさそうに、


「そ、そんなことないわよ。まだまだ知らないことばっかりだもん」


 って言ってくれたの。フーガちゃんの謙虚な姿に、またドキドキしちゃった。


 そのとき、後ろから元気な声が聞こえてきたの。


「フーガちゃーん!おはよー!」


 振り返ると、明るい笑顔の女の子が駆けてきたんだ。


「あ、ミユキちゃん。おはよう」


 フーガちゃんが挨拶を返すと、その子…ミユキちゃんは私に気づいたみたい。


「わぁ!かわいい子がいる!フーガちゃん、この子だれ?」


 ミユキちゃんは興奮気味に私を見つめてきたの。


「あ、こちらはソラちゃん。え〜っと…遠い親戚の子で、しばらくうちに滞在してるの」


 フーガちゃんが少し焦りながら説明してくれたんだ。


「はじめまして!ソラです!」


 私は元気よく挨拶したよ。


「わぁ〜!ソラちゃんかわいい〜!」


 ミユキちゃんが突然抱きついてきて、びっくり!


「ちょ、ちょっと!ミユキちゃん、ソラちゃんびっくりしてるわ」


 フーガちゃんが慌てて私を引き離してくれたんだけど、その腕が私の腰に回ったままで…


「え、えへへ…」


 思わず顔が熱くなっちゃった。フーガちゃんも気づいたみたいで、急いで手を離したんだけど、その頬もちょっぴりピンク色になってたの。


「もー、フーガちゃんずるい!私もソラちゃんと仲良くなりたいなー」


 ミユキちゃんが可愛くプンプンしてる間に、フーガちゃんは小声で私に言ってくれたんだ。


「大丈夫?ミユキちゃん、ちょっと元気すぎるから…」


「う、うん!大丈夫だよ。みんな優しいね」


 私はニッコリ笑って答えたんだ。フーガちゃんも安心したみたいに微笑んでくれて…


 三人で学校に向かう道すがら、ミユキちゃんが次々と質問してくるの。


「ソラちゃんはどこから来たの?趣味は?好きな食べ物は?」


「えっと…」


 答えに困ってると、フーガちゃんがさりげなく私の手を握ってくれたんだ。


「ミユキちゃん、そんなにたくさん聞いたら、ソラちゃん混乱しちゃうわ」


「あ、ごめんごめん!でも、ソラちゃんのこともっと知りたいなー」


 ミユキちゃんの明るさに、私も自然と笑顔になれたんだ。


 学校が見えてきたとき、フーガちゃんが私の耳元でそっと囁いてくれたの。


「大丈夫よ。私がついてるから」


 その言葉で、胸がポカポカしてきて、なんだかすごく安心できたんだ。


 こうして、私の地上での学校生活が始まったの。フーガちゃんやミユキちゃんみたいな優しい友達ができて、毎日がどきどきわくわく。


 でも、フーガちゃんと一緒にいると、特別なドキドキがあるの。これって、もしかして…恋のはじまり?


 そんなことを考えながら、私はフーガちゃんの隣で幸せな気持ちになれたんだ。これからの学校生活が、すっごく楽しみになってきたよ♡

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