空から来たわたしとフーガちゃんのヒミツ!

ありんこるん

第1話 はろ〜ぐらうんど!

 私、ソラっていうの。12歳の女の子で、空の国に住んでるんだ。ううん、正確には住んでた、かな?


 空の国はね、ふわふわとした雲の上に広がる不思議な世界なの。いつも青い空が広がって、雲がお菓子みたいにぷかぷか浮かんでるんだよ。


 この日も、私は空色のフリフリワンピースをひらひらさせながら、白い雲の上をぴょんぴょこぴょーん!って跳ねて遊んでたの。


「うーん、あの下はどうなってるのかな?」


 私は、よいしょっと雲の隙間から覗き込んでみたんだ。遠く下の方に、緑や茶色の模様が見えて……。


「わぁ〜!きれい!もっとよく見たいな♪」


 私はもっともっと身を乗り出してみたの。だって、すっごく気になるんだもん!


 もう少し近づいてみたら…


「あっ!」


 足元のふわふわ雲がフワッと崩れて、私はバランスを崩しちゃったの。


「きゃあああ!」


 私は叫びながら、雲を突き抜けて地上へと落ちていったんだ。ヒューヒュー、風が私の髪をなびかせて、ワンピースのすそがはためいちゃう。


 でも、不思議なことに、怖くなかったんだ。むしろワクワクしていたんだもん。


「わぁ〜!地上ってこんな風に見えるんだぁ!」


 私は目をキラキラさせながら、どんどん近づいてくる地面を見つめていた。お腹の中では、蝶々が舞っているみたいだったよ。


(ここどこかな? 誰かいるのかな?)


 そう思いながら、私はゆっくりと地上に近づいていったの。


 そして、ポフッ!って音とともに、私は何かの上に着地したんだ。


「いたた…」


お尻をさすりながら、周りを見回してみると…


「きゃっ!」


 私のお尻の下に同じくらいの年の女の子がいたの。大きな目にメガネをかけて、とっても賢そうな子だった。


「え?」 「えっ?」


 私たち二人は同時に声を上げちゃった。


「あの、君は…お空から降ってきたの?」


 その女の子は、信じられないって顔をしてたよ。


「うん!私、ソラっていうの。空の国から来たんだ〜。ねぇねぇ、ここはどこ?」


 私は元気いっぱいに立ち上がって、キョロキョロと周りを見回し始めたの。


「ここは…地上の国よ。私はフーガ。あ、そうだ!あなたなら知ってるかもしれない。空色の空石って見たことある?」


 フーガちゃんって名前なんだ。急に思い出したみたいに、フーガちゃんが私に聞いてきたの。


「うーん、聞いたことはあるけど…見たことはないなぁ」


 私は首をかしげちゃった。フーガちゃん、ちょっと残念そうな顔をしたけど…


「ねえ、お願い! 一緒に探してみない? 私、空の国に行きたいの」


 って言ってくれたの。


「うん! いいよ! 私も地上のこと、もっと知りたいし!」


 私は嬉しくてぴょんぴょん跳ねちゃった。


 こうして、私とフーガちゃんの不思議で可愛い冒険が始まったんだ。空の国から落ちてきた私と、空の国に行きたいフーガちゃん。私たちの出会いは、まるで運命みたいだったな。


 これからどんなことが起きるんだろう?  考えただけでワクワクしちゃう! フーガちゃんと一緒なら、きっと素敵な冒険になるんだろうな。そう思いながら、私はフーガちゃんの手を握りしめたんだ。


「私はフーガよ。ソラちゃん、大丈夫?怪我してない?」


 フーガちゃんが心配そうに私の体を確認してくれた。その優しさに、なんだかドキッとしたの。


 それからね、フーガちゃんのお家に泊まることになったんだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る