第4話「激化する戦い」

ビートとエクスカイザーが戦う。

「おりゃあああ!!」

「うぉぉぉぉぉっ!!」

ビートとエクスカイザーは互いに一歩も引かない激しい戦いを繰り広げる。

エクスカイザーのパンチを喰らい殴り飛ばされるビート。

「クソッ……この人……強い……」

「悪いな……こっちは後が無いんだ……負ける訳には行かねぇんだよ!!」

エクスカイザーは必殺技『ストライクフィスト』を発動しビートに攻撃する。

「くっ……」

だが、ビートはギリギリの所でかわし反撃の『ロックスターブレイク』を発動。

「何っ!?」

エクスカイザーはビートの必殺技の直撃を喰らい消滅……。

エクスカイザーの世界のヒーローが全滅した事により、エクスカイザーの世界は消滅……。


「フンッ……ようやく1つ世界が消えた様だな……」

スカーはエクスカイザーの世界の消滅を感じとった。

「え?分かるんですかい?」

ブラウが尋ねる。

「ああ、ルシウスの力でな……エクスカイザーの世界が消えたよ」

「へぇ……にしてもこれでやっと一つの世界ですか……ったく、ヒーローどもどんだけ居んだよ……」

「だが、それも時間の問題だ……いずれ全ての並行世界からヒーローは消える……」


新斗とオビトは雪菜の案内で橘兄妹の家に向かった。

「こっち」

「へぇ〜忍者道場か……」

「それで、美桜は居るのか?」

「ん〜……どうだろ?」

雪菜は玄関のチャイムを鳴らす。

「はーい……」

中から橘兄妹の父、信弘が出てきた。

「こんちは」

「ああ、雪菜ちゃんか……」

「美桜ぴょん居ます?」

「美桜ぴょん?」

オビトが首を傾げる。

「ああ……居るには居るが……」

信弘に案内され美桜の部屋の前まで行く。

「来人が消息を断ってから塞ぎ込んでしまってね……部屋から出て来ないんだ……」

「そうなんだ……小十郎も連絡着かないしどうなってるんだろ……」

やはり戦いに破れたのか……。

オビトはそう直感した。


雪菜が部屋のドアをノックする。

「美桜ぴょん、ウチ、雪菜だよ?……出て来てくれない?美桜ぴょんに会いたいってオビト達が来たよ……」

美桜はベッドの上で膝を折り塞ぎ込んでいた。

「オビト……?」


「俺にも喋らせてくれ」

オビトが出てくる。

「美桜……俺だオビトだ。頼む……星影と月丸に何があったのか聞かせてくれないか?このヒーロー同士の戦いを止めたいんだ……」

すると美桜は部屋の鍵を開け出てきた。

「美桜……」

信弘が呟く。

「オビト……本当に戦いを止められる?」

「ああ、絶対に止めてみせる。だから、その為に情報が欲しい」

「分かった……でも星影とは一緒じゃ無かったから分からない……私と兄さんはグレイザーとGTN-1を相手に戦ってたんだけど……兄さんがやられて……」

「グレイザーとGTN-1か……やっぱりグレイザーは強い……恐らくグレイザーがこの戦いの行方を左右する鍵だ……」

「何でだ?」

新斗が尋ねる。

「グレイザーが俺達ジャスティーフォースのリーダーだからだよ」

「そうなんだ……」

「よし、とにかく俺達はグレイザーを探そう。あの人を説得すれば戦いは止められるはずだ」

「分かった」

「私も行く」

美桜が名乗りを上げた。

「……そっか……分かった!」

「美桜ぴょん……」

「ゆきぴょん、この世界は必ず守るから安心して」

「うん」


こうして新斗、オビト、美桜の3人はグレイザーを探しに出発する。

「行くぜ!」

オビトが『ディメンションクリスタル』の力を使い次元の扉を開く。

「じゃあ……父さん行って来るね」

美桜は信弘に言う。

「ああ、気をつけるんだぞ」

「うん」

新斗達はまた別の世界へ移動する。


しかし、その間もヒーロー達の戦いは激しさを増していた。


パラディンオブナイトVSGTN-1

「まさかこんな事になるなんてな……」

パラディンオブナイトが呟く。

「そうですね……あなたと戦う事になるとは……」

「だが、お互いに世界の命運が掛かった戦いだ。俺はグランスタ王国を守る為に……君に必ず勝つ!」

「私も1人の警察官として市民を守る義務があります。だから……負けません!」

お互いに構える。

「行くぞ!!」

パラディンオブナイトがGTN-1に斬り掛かる。

GTN-1は『G-ブラスター』で距離を取りながら攻撃する。

たが、パラディンオブナイトは構わず突進して来る。

「何っ!?」

そしてGTN-1に斬り掛かるパラディンオブナイト。

「ぐわぁぁぁぁっ!?」

「悪いが一気に勝負を着けさせて貰う!!」

パラディンオブナイトは怒涛の連続攻撃でGTN-1を追い詰める。

「ぐあっ……くっ……なんて強さだ……」

「トドメだ!!」

パラディンオブナイトの必殺技『ジャッジメントブレイク』が炸裂。

「ぐわぁぁぁぁっ!?」

GTN-1は消滅……。


そしてその戦いを見守っていたグレイザー……。

「火村さん……やられたか……これで僕達の世界のヒーローは僕1人……負ける訳には行かない……」

グレイザーはそのままパラディンオブナイトに襲いかかる。

「ん?うわっ!?」

グレイザーの奇襲を食らったパラディンオブナイトはそのまま押し倒される。

「くっ……グレイザー!?」

「僕が負ける訳には行かないんだ!!」

グレイザーは怒涛の攻撃でパラディンオブナイトを攻めたてる。

「ぐあっ……!?」

グレイザーのパンチを喰らいパラディンオブナイトが殴り飛ばされる。

「トドメだ!!」

グレイザーは『グレイバスター』を構える。

「くっ……」

グレイザーは必殺技『グレイトフルバースト』を放つ。

「ぐわぁぁぁぁっ!?」

パラディンオブナイトは消滅……。

「はぁ……はぁ……」

そこへ次元の扉が開き新斗、オビト、美桜がやって来た。

グレイザーが気付いて振り向く。

「ん?」

「グレイザー……」

「オビト君と君は確か……月丸の妹だったね」

「グレイザー……何故こんな事に……」

「この戦いを終わらせる為には一刻も早く最強のヒーローを決めなければならない。そして僕が最強のヒーローになる為に他のヒーロー達と戦うしか無いんだ……」

「グレイザー……あんたはそんな人じゃ無かったはずだ!!自分の世界を守る為に他の世界を犠牲にするなんて間違ってる!!」

オビトは必死にグレイザーを説得する。

「正しいか正しくないかなんて最早どうでも良い事だ。僕の世界で生き残ってるのはもう僕だけ……だから僕が負ける訳には行かないんだ」

「そんな……じゃあドライガーさんやGTN-1は……」

「消えてしまったよ……GTN-1に関してはパラディンオブナイトに……君と同じ世界のヒーローにやられた……」

「パラディンオブナイト……クロガネさんが……」

「これで君の世界のヒーローも君1人だ……君の世界を守る為には戦って勝ち残るしか無いぞ……」

そう言ってグレイザーは去って行く。

「ちょっと待って下さい!!」

新斗がグレイザーを呼び止める。

「君は?」

「俺は鷹井新斗。ジェットホークです!あなたは世界を救った英雄じゃないんですか!?何で他の世界は犠牲に出来るんですか!?」

「……僕だって望んだ結果じゃないさ……でも……戦うしか無いんだ……君もヒーローなら自分の世界を守る為に戦いなよ……」

そう言い残しグレイザーは去って行く。


「そんな……どうしちゃったんだ……グレイザー……」

グレイザーの変貌ぶりにオビトは落胆する。


「オビト……」

「俺も……美桜も……それぞれ生き残った最後のヒーローって訳か……」

「そう……ですね……」

「この戦い……止められるかな?」

「何弱気になってるんですか!止めましょうよ!俺達の手で」

新斗はオビトを元気付ける。

「ああ……そうだな……」

「とりあえず他の生き残ってるヒーローを探しましょう」

「ああ……だがディメンションクリスタルのエネルギーが切れた……しばらくは次元移動が出来ない……」

「そんな……」

「もう夕方ですし……今日はこの世界に留まるしかないですね……」

「そうだな……泊まれる宿を探そう」

 新斗達3人は宿泊する場所を探しに行く。


その頃、BLADEの大谷は……。

「ようやく見つけたぞ、守君……」

「大谷さん……」

グレイザーこと桐崎守と合流していた。

「今、多くのヒーロー達が互いに世界を守る為の戦いを強いられてる。一体何があった?」

「……」

「何故……答えない?」

「大谷さん……今度ばかりは大谷さんの命令も聞けませんよ……ヒーロー達の戦いを止めろと言うんでしょ?」

「当たり前だ……君達が戦い合う必要なんてどこにも……」

「あるんですよ……自分の世界を守るって言う使命が……

「見つけたぞ大谷……」

「誰だ!?」

突如した声の方を向くとそこにはシアンが……。

「お前を殺したくてウズウズしてたんだ……覚悟しろよ?」


続く……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る