第3話「説得」

ヒーロー達が激しい戦いを繰り広げる中、オビトと新斗は行動を開始。

オビトは新斗を連れ、『ディメンションクリスタル』の力で別の世界に向う事に。

「それじゃあ、少し新斗を借ります」

「ああ、こっちの事は任せろ。鷹井、オビト君をしっかりサポートしてやれよ」

「はい、では行って来ます」


オビトは『ディメンションクリスタル』の力で次元の扉を開く。

「行くぜ?」

「うん……」

2人は次元の扉に入って行く。


「しかし凄いな……別の世界に移動出来るなんて信じられん」

矢木博士も驚く。

「そうね……多次元宇宙論とかは聞いた事あるけど、流石にこれはアンビリーバボーね」

ヒメノ博士も流石に驚いている。


オビト達がまずやって来たのは……。

星影の世界ーー


「ここが……本当に別の世界?」

「ああ、ここは侍ヒーローの星影が居た世界だ。……星影はやられちまった様だが、世界が無事って事は誰かが生き残ってるんだな……ソイツを探そう」

「探すってどうやって?」

「まっ、心当たりはある。付いて来い」

そう言ってオビトは歩き出す。

「ああ、ちょっと……」

新斗も追い掛ける。


その間にもヒーロー同士の戦いは続いていた。

音楽の戦士ブリッランテVS探偵ヒーロー エクスカイザー。

「くっ……あんたの仲間に俺の仲間がやられた……仇を取らせて貰うぞ!!」

「それはお互い様だろ?こっちも仲間がビートにやられた」

2人のヒーローが激突。

エクスカイザーは一気に距離を詰め近接戦闘に持ち込む作戦。

ブリッランテは『バイオリンチェンジャー』で遠距離攻撃を仕掛けるがエクスカイザーは止まらない。

「ぐっ……」

「大体お前の世界はヒーローが多いんだよ……先に潰させて貰うぜ?」

「ふざけんな……こっちだって戦いで多くの仲間を失ってるんだ……これ以上失ってたまるかよ……」

エクスカイザーとブリッランテの意地と意地のぶつかりあい。

「おりゃあ!!」

「ぐっ……」

エクスカイザーのパンチがブリッランテを怯ませる。

「一気に行くぜ!!」

エクスカイザーは必殺技『ストライクフィスト』が炸裂。

「ぐあっ……!?……くっ……やるじゃん……」

ブリッランテは消滅。

「ふぅ〜……」


その頃、オビトと新斗は……。

「あのさ……本当にこっちであってるのかよ?」

「おかしいなぁ〜……この辺だと思ったんだけどなぁ……」

オビトの方向音痴のせいで迷子になっていた。

「はぁ……しっかりしてくれよ……住所は?」

「それが……住所ってのは知らなくてな……」

「はぁ?……あー……ダメだこりゃ……」


こちらではGTN-1と音楽の戦士フォルテが戦う。

「はっ!」

フォルテの攻撃がGTN-1を襲う。

「ぐっ……」

GTN-1は物陰に隠れる。

「強い……こうなったらハイパーフォームに……」

フォルテはGTN-1に一気に距離を詰める。

「辞めろ!!」

戦いを止める声がしフォルテもGTN-1も戦いを辞める。

「誰?」

「俺は新木。BLADEの隊員だ」

「あっ!あなたはあの時の!」

GTN-1は新木に気付く。

「よっ、久しぶりだなGTN-1。それより、無駄な戦いはよそう。他に並行世界を救う方法がきっとあるはずだ」

「悪いけど、今の私達には戦うしかないの。出来れば私だって戦いたくない……でも、私達の世界を守る為には……」

「それが敵の策略なんだ!」

「え?」

「どういう事ですか?」

「敵は並行世界同士を崩壊させる事でヒーローの同士討ちを狙ってる。このまま奴らの思惑通りにさせる訳には行かない」

「チッ……余計な事を……」

そこに現れたのはスカーとブラウだった。

「スカー、ブラウ!!」

「ヒーロー同士の戦いは止められない。でなければ並行世界が滅ぶだけだ。ヒーロー達は自分達の世界を守る事に必死なんだ……。当然だよな?誰だって自分の世界が大事に決まってる。愛する者、大切な仲間がいる自分の世界が……」

「この事態は……お前達の仕業か!!」

「ああ……だが、ヒーロー共は戦うしか道は無いぜ?戦えヒーロー!自分達の世界を守る為になぁ」

「だが……お前達が引き起こした事態なら……お前達を倒せば解決するはずだ!!」

GTN-1がスカーに攻撃を仕掛ける。

スカーはティラノサウルス怪人に変身。

GTN-1に突進。

「ぐわぁっ!?」

「GTN-1!?」

「くっ……あなた達のせいなら……許さない!!」

フォルテもティラノサウルス怪人に攻撃を仕掛ける。

「フンッ、消えろ!!」

ティラノサウルス怪人がフォルテにも攻撃。

「きゃっ!?」

「戦うしかお前達の世界を救う方法はないぞ?」

「くっ……貴様ら……」


ティラノサウルス怪人は変身を解除。

スカーとブラウは去って行く。

「待て!!」

新木が2人を追う。

「邪魔だ!!」

スカーが新木を銃撃。

「ぐあっ!?」

スカーの撃った弾丸は新木の左肩を貫いた。

「くっ……」

「邪魔をするなBLADE……これはただのゲームだ」

そう言い残しスカーとブラウは姿を消す。

「大丈夫ですか?」

フォルテが新木に駆け寄る。

「くっ……いいか?絶対ヒーロー同士で戦うな……でなければ奴らの思う壺だ……」

そう言い残し新木は気を失った。


その間にも別の場所ではヒーロー同士の戦いが続く。

ドライガーVSエクスライザー。

「おりゃあああ!!」

ドライガーが攻撃を仕掛ける。

「熱苦しい戦い方は好きじゃないんだ」

エクスライザーは『ミラージュキー』を使って幻影を作り攻撃を回避。

「何っ!?」

「終わりだ」

エクスライザーは必殺技『エクストリームバースト』を放ちドライガーを攻撃。

「ぐわぁぁぁぁっ!?」

ドライガーは消滅。

「悪いね、僕の勝ちだ」

だが、勝利を収めたエクスライザーを誰かが攻撃。

「ぐあっ!?……誰だ!?」

「勝って直ぐの所悪いが……次はお前が消えてくれ」

そこに現れたのはパラディンオブナイトだった。

「ほぉ……次の相手か……いいよ?君も直ぐに倒してあげるから……」

今度はパラディンオブナイトとエクスライザーが戦い始める。


その頃、ようやくオビトと新斗は目的地に辿り着いた。

「着いたー!」

「着いたー!……じゃねぇよ!!どんだけ迷ってんだよ!!」

「いや〜悪り悪りぃ……」

2人がようやく辿り着いたのは雪菜の家だった。

早速チャイムを鳴らす新斗。

「はーい」

声がして出てきたのは雪菜の母親の恵子だった。

「突然すみません、門倉雪菜さんはいらっしゃいますか?」

「はぁ……どちら様ですか?」

「自分は航空自衛隊パイロットの鷹井と申します」

「自衛隊!?何でそんな方が雪菜を!?」

「雪菜さんにはお話を伺いたいだけでして……」

「そうですか……でも……雪菜は家にはおりません。今は近くのアパートで独り暮らししてますから」

「では、そのアパートの住所教えて頂けますか?」

「はぁ……少々お待ち下さい」

しばらく待って居ると恵子はアパートの住所が書いたメモを持ってきてくれた。

「あの……雪菜に何かあったんでしょうか?」

「あっ、いえそういう訳では……雪菜さんには何もありませんからご心配なく。それでは」

恵子からメモを受け取り新斗とオビトは去って行く。

「よし、住所が分かれば何とかなるな」

「へぇ〜そうなのか〜」

「今までどうやって生きて来たんだ?」


その頃、パラディンオブナイトとエクスライザーの戦いが決着。

パラディンオブナイトが勝利を収めていた。

「はぁはぁ……中々手強い相手だった……」


そこへ佐藤が到着。

「間に合わなかった……」


新斗とオビトは雪菜のアパートへ到着。

「ここだ」

チャイムを鳴らす。

「はーい……」

中から門倉雪菜(21歳)が出て来た。

「おっ、雪菜ちゃん!」

「おおー!オビトじゃん!ひさー!」

「おう!なぁ雪菜ちゃん、星影の居場所分かるか?」

「小十郎?アイツ最近全然帰って来ないから分かんないんだよねー」

「そうか……じゃあ橘兄妹は?」

「あの2人も最近全然会ってないけど……家は知ってるし行ってみるー?」

「おお、マジか!頼むよ!」

「んじゃ準備してくるからちょい待ちー」

「へ?準備?いや、俺達急いで……」

「スッピンで外行ける訳ないじゃーん!」


雪菜がメイクをしている間もヒーロー達の戦いは続く。

ビートVSエクスカイザー。

「こっちは二人共やられたから負ける訳には行かないな……背水の陣ってやつか……」

エクスカイザーが呟く。

「俺達も多くの仲間を失った……負ける訳には行かない!!」

ビートがそう言って構える。


続く……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る