第2話「誰かのためになるならば」

「誰かのためになるならば、」


 自分を犠牲にしてもいいって、きみはそう言った。


 ばか、ばかじゃないの。


 そんな、名前も知らない誰かのために死んじゃうなんて。


 咄嗟に知らない子どもを庇ってトラックに轢かれちゃうなんて。


 「誰か」のために死ねるのに、「わたし」のためには生きてくれないなんて。


 きらい、きらい、だいきらい!



 20240726.NO.3「誰かのためになるならば」

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