心の青空、ふたりの夏

第13話

高原の避暑地から帰ると、莉子は新学期に向けた準備を始めた。夏の終わりを感じる涼しい風が窓から入ってきて、部屋の中を心地よく包み込んでいる。

莉子は旅行から持ち帰ったお土産を取り出し、里子のために選んだ石を丁寧にラッピングした。石には、自然の美しさや莉子の思いを込めたメッセージを小さなカードに書き添えた。これを里子に渡すのが楽しみで、彼女の反応を想像しながら笑みを浮かべる。

次に、莉子は学校の準備に取り掛かる。新しい文房具や教科書、ノートを整理し、カラフルなラベルで名前を付ける作業を始めた。ペンケースには、夏休み中に使い切った鉛筆や消しゴムを補充し、新しい気持ちで新学期を迎えようと心を決める。

さらに、莉子は洋服の整理も行う。クローゼットの中を整理し、夏服を取り出して秋冬の衣類と入れ替える作業は、少し面倒ではあったが、彼女の心に新しい季節の訪れを感じさせてくれる。古い衣類を整理しながら、過ぎ去った夏の日々を思い返し、少し感慨深い気持ちになる。

最後に、莉子は新学期に向けての目標を書き出す。どんなことに挑戦し、どんな自分になりたいのかを紙に書き留め、勉強やクラブ活動、友人との関係に対する意気込みを再確認する。そのノートを見つめながら、「新しいスタートを切ろう」と気持ちを新たにした。