第3話

次の日の朝、莉子は里子の家に招かれていた。昨晩のお祭りでの楽しさがまだ心に残る中、今日は里子の浴衣を手伝うことになっていた。莉子が里子の家の前に着くと、ちょうど里子が玄関で待っていた。


「おはよう、莉子。来てくれてありがとう!」里子は嬉しそうに言い、彼女を中に迎え入れた。


「おはよう、里子。浴衣、着るの手伝うね。」莉子はにこやかに答えた。


里子の部屋に入ると、そこには色とりどりの浴衣が並べられていた。里子の浴衣は、淡い青色に白い花模様が施されたもので、涼しげな印象を与えていた。里子はその浴衣を前にして少し戸惑いながらも、莉子に助けを求めていた。


「これ、どうやって着るんだっけ?自分ではうまくできないの。」里子は少し不安な表情を浮かべていた。


「大丈夫、私が手伝うよ。」莉子は笑顔で浴衣を手に取り、まずは里子の肩にかけてみた。「浴衣は少し着慣れないと難しいけど、ゆっくりやれば大丈夫。」


莉子は浴衣を里子の体に合わせながら、慎重に襟元や前身頃を整えた。里子はその間、鏡を見ながら微笑み、時折莉子に助言を求めた。莉子は、浴衣の着付けに必要な細かい部分を丁寧に説明しながら、手際よく進めていった。


「これでどうかな?」莉子は帯を結び終えた後、里子の姿を鏡で確認させた。里子は浴衣姿を見て、鏡の中の自分を見つめながら満足そうに微笑んだ。


「わぁ、素敵だよ、莉子。ありがとう!」里子は心からの感謝の気持ちを込めて言った。


「良かった。じゃあ、髪も少し整えようか。」莉子は言いながら、里子の髪を整えるための櫛を取り出した。リボンで髪をまとめると、さらに浴衣の雰囲気が引き立った。


「これで完璧だね。」莉子は最後に里子に微笑みかけた。「お祭りが待ち遠しいね。」


「うん、すごく楽しみ!一緒に行こうね。」里子は嬉しそうに頷きながら、莉子の手を優しく握った。


二人は、その後一緒にお祭りに出かける準備を整え、朝の明るい光の中、楽しい一日が始まる予感に胸を膨らませた。浴衣の柄と色が、夏の陽射しと共に鮮やかに輝き、華やかさと優しさを一層引き立てていた。

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