1000歳生きたドラゴンは、子供からやり直し〜人間の子供になったドラゴンのスローライフが始まる〜

暁 とと

ドラゴン

我は、1000歳生きているドラゴンである。我は、勇者・賢者・宮廷魔法使いを倒した。

人間の世界では、終焉を招くドラゴンと呼んでいる。


だが、我は1000歳生きた。全盛期のように、力を出すことが出来ない。


「ドラゴン!!俺に倒されろ!!」

「クハハハハ!!良いだろう!!我も全力でお前を滅ぼしてやる!!」


我は、再び現れた勇者との激闘の末に倒された。勇者は強かった。負け惜しみかもしれないが、500年ほど若ければ簡単に倒せていたかもしれない。


もっと、若ければ勇者を倒すことが出来たのだがな....


そう思いながら、我は意識が薄れ我は死んだ。


*********


次に目を覚ますと、勇者に抱っこされていた。


「は?」

「お、目を覚ましたか終焉のドラゴン。いや、今は違うか?」


我は、理解するのに1分もかかった。我は、ドラゴンでは無くなっていた。この体は、人間の子供。それも、女。


何故、我は人間の子供になっている。


我は、今我の下に居る勇者の手により殺されたはずだ。転生するとしても、長い年月がいるはず。

なのに、我は人間の体になっているのだ?


「混乱してるな。まあ、無理もない。俺がお前を倒したら急に強い光を出してよ。俺が倒したはずのドラゴンの死骸が無くなったと思ったら、女の子が倒れているんだから俺も驚いたよ」

「それより、勇者よ。離せ!!」


我は、全力で勇者から離れようとするが今の我は非力すぎた。

勇者の拘束から抜け出す事ができない。


「おい、暴れんなよ。俺もお前の攻撃を受けて体がボロボロなんだからよ」

「我が500歳若ければお前なんて一瞬で倒せたのにな。お前は運がいいな」

「それは、どうも」

「我をどこに連れていく」

「俺ん家」

「我を人間の居る国に連れていくと言うのか?アホではないか?まあ、いいぞ。我がこの力で人間の国を滅ぼしてやる」

「いや、無理だぞ。鑑定で、お前の魔力やレベル全部子供レベルだから、滅ぼそうとするのは無理だぞ〜」


た、確かに....我から溢れ出ているはずの魔力が見えない。


「た、確かに、我はこの体になって、魔力を失った。だが、至近距離に居る勇者を殺せる程の魔力はあるはずだ!!『ホロ...』」


ホロブレスを発動させようとすると、急に体の力が出ない。


「だから、言ったじゃないか。魔力が少ないって。お前は初めてかもしれないが、それは魔力が枯渇したせいだからな。しばらく、その体のダルい感じがしばらく続くぞ」


これが、魔力枯渇...我は、生まれてから強大な魔力を持っていた。だから、魔力を枯渇したことが無かった。


魔力枯渇をすぐに起こすぐらい、貧弱になってしまった我は、自信を無くしてしまう。


我は、再び眠りについた。


********


次に目を覚ますと、ベットの上。起き上がると、勇者がソファーで寝ている。


「おい、勇者。なんで、我がベットで寝ているんだ」

」子供に、ソファーで寝させる勇者がいるかよ」

「我は、こんな体だがんな、ドラゴンなんだぞ!!1000年生きたドラゴンなんだぞ。情けなぞ要らない!!」


我は、そう言うと勇者がソファーから起き上がりベットの上で立っている我の元に寄ってきた。


「はぁああ...お前は人間だ」

「そうだな。だから、か弱くなった我を今ここで殺しておいた方がいいんじゃないか?」

「アホ勇者の俺が人間を殺したら即刻死刑だは。たとえ、終焉のドラゴンが人間になったと言ってもだ」

「そうゆうものか?」

「そうゆうものなの」


我の両脇を持って、ベットから下ろしてきた。


「じゃあ、行くぞ?」

「どこに?」

「服を買いに」

「我は、裸でもいいぞ?」

「ドラゴンの時は、真っ裸でも良かったかもしれないが、人間の姿で裸でいたらただの痴女。捕まるぞ」

「そうゆうものなのか」


人間とはめんどくさいな。我は、ぶかぶかの勇者の服を着せら店に向かった。

我を倒したとして、今はお祭り騒ぎ。我は、複雑な感じではある。


「これで、いいだろ」

「我は嫌だ」

「文句を言うな」


勇者に無理やり買われ、服を着ろと言うので、渋々と我はスカートの服を着た。


「股がスースーする」

「股とか言うな」


我は、人間をゴミとか思っていた、その人間にチラチラと見られることが恥ずかしいと思い始めている。


「なんだよ」

「な、なんでもない!!」


視線が気になる我は、勇者の腕を掴み視線から守った。しばらく歩くと、お城のような場所に連れてこられた。


「学校だ」

「は?」

「お前に、人間の常識を叩き込んで貰う。親は俺になっている」


中に連れてこられ、数学など解かされた。我は、暇な時は本を読んでいた。なにの、こんな問題は簡単だ。


「素晴らしい。全問正解。天才少女か!?」


問題を出てきた、男は驚いている。我は、勇者の方を向きドヤ顔をした。


「しかし、倫理の方が少し無いようですね。まあ、学校です。しっかり、教えこんであげます、では、明日から来てくださいね」

「ありがとうございました」


勇者と我は、学校というところから出て行き勇者の家に帰っていった。

勇者も忙しいはずなのに関わらず、我を相手している。


少し、我も申し訳なさがるので、森に帰るきりにした。


「おい、勇者。我は、森に帰る」

「何を言ってるんだ?」

「我は、1人生きていく。ドラゴンだった時のように」

「アホか。今のお前は人間。森に入った瞬間に殺されるぞ」

「しかしな、お前は我を倒した事で、忙しいはずだ。我を構わずに生きた方が良いだろ?」

「アホ。俺は、お前を倒したけど、子供になった。だから、育てる。常識を持たせて、人間に貢献してもらう。これも、勇者の仕事だ。気にするな」


そう言って、ご飯を出てきた。我も人間いついて知りたくなった。


なので、しばらく人間の姿で人間の世界でスローライフを送ろうと思う。



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1000歳生きたドラゴンは、子供からやり直し〜人間の子供になったドラゴンのスローライフが始まる〜 暁 とと @hatipati

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