第六章:決戦ッ、最上級概念霊【消失】編!

第63話・幕間:神に愛されしリベルタリア



 ――世界の覇権国家とは?


 ソレを問われた際、西洋圏の者らは誇らしげな顔で、東洋圏の者らは悔しげに答えるだろう。



〝それは、『神聖リベルタリア帝国』である〟と。



 人類生息圏の五割ほどを支配下に置いた大帝国。

 アメリカ大陸全土を支配し、大西洋国家の九割を属国としたかの国は、絶対支配者『魔神帝』を頂点とし、地球最大の軍事国として君臨していた――。



 ◆ ◇ ◆



 なお。



「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああイイ加減に起きろ神神神カミィ~~~~~~~~~~!!!」



 大帝国リベルタリアが黄金の王城。その玉座の間。

 目が眩むほどの贅が尽くされた空間にて、金髪の青年が一人喚いていた。



「カァア~~~~~~ミィィ~~~~ッ」



 さながら勢いで仕事辞めた上にパチンコで全額スッた酔漢のように。

 最美なる黄金の長髪と白き外套を揺らめかせた男は、恥も外聞もなく吠え散らし続けた。

 醜い。



「うぅうぅう。オウマ一匹でさえクソ面倒くさいのに、『空鳴カナタ』のヤツが意味わかんないんだよぉ~~~~~……!」



 ――彼こそは『魔神帝』クローヴィス・ザ・リベルタリア。

 世界の半分を支配する、人類史上最高峰の栄華を極めし大皇帝である。


 だがしかし。



「はああああ、やってらんね。ぼく皇帝やめます。王冠、ぽい」



 彼は、頭上の王冠を、躊躇なく放った。

 誰もが求める覇者の証。それを、かんっ、からからかんっ、と。大理石の床に投げ出してしまう。



「うぅぅぅ。ぼくはどうしたらいいんだよぉ……!」



 つくづくやっていられない――と、クローヴィスは思う。


 そもそも彼は凡人である。他の誰もが認めずとも、自分ではそう思っている。

 そんな己が『魔神帝』? 百年前に米国を転覆させて奪い取り、地上最新最大の国家を生み出した帝王? 並ぶ者なきカリスマ?

 馬鹿を言え。



「……全部、おまえと契約したからこうなったんだ。なぁ、【神】よ?」


『――ぬはははははは! 今週はえらく荒れているではないか、クローヴィスよ!』



 その時だった。

 突如、青年の孤独を引き裂くように、轟音が天地を震わせた。目も開けられないほどの眩しい光が空間を包み込み、空間全てが白き霊光に飲み込まれた。



『あぁまったく。貴様はオレを飽きさせんなぁ! はははははっ!』



 空気が震える。魂が泡立つ。具現する暴力的霊圧にクローヴィスの肌が波打つ。

 そして光は形となった。天・地・人――世の全てを玩弄するような哄笑と共に、『魔神帝』の玉座へと、ヒトガタとなって収束する。

 神意が此処に降臨する。



いぞォ。オレに可愛く泣きついてみよ』



 そこにいたのは『女神』だった。


 目の灼けるような圧倒的な存在感を放ち――。

 赤にも紫にも金にも見える螺鈿らでん色の長髪の頭上には、純白に輝く『霊光輪ハイロゥ』を頂かせた――。

 背より伸びた数十メートルもの十二の光翼を曲げ、前だけを隠した、全裸の女がそこにいた――!



「ひゃっ、百年前から言ってるが、服を着ろぉっ!」


『ぬははははは! それよりもオレの股間を見ろッ! 今日は生えているぞ!』


「ぎゃー!?」



 彼女――あるいは彼こそ、クローヴィスの最上級概念霊【神】である。


 この存在こそが『魔神帝』を『魔神帝』たらしめる要因。

 あるいは彼こそが、真の『魔神帝』であるのかもしれない。



『ぐふふふふ。旧ニホンにおいてふたなりは神性の象徴。月相に応じて性が変わるともされ、性別の曖昧な神々の化身ともてはやされる。太古から変態国家であるな。愉快』


「不愉快だバカッ! それよりもこれ見ろっ」



 クローヴィスは【神】に携帯を投げた。

 その画面には、十二の殺刃翼を操り、疑似霊光輪ハイロゥを闇色に輝かせた『空鳴カナタ』の姿が。



『ほっほうッ。これは半月ほど前に生まれたという、例のトンデモ赤ちゃんか!?』


「あぁそうだ。つい先日の霊奏試験のときの映像だ。おまえが寝ている間に、さらにトンデモなくなってるぞ……!」



 クローヴィスの声音には怒りが混ざっていた。

 携帯を『はわぁ~~!』と言いながら見ている【神】。この色々な意味で両性類は、一週間に一度ほどしか起きない性質を持つ。


 本人曰く〝創造神は一週間で世界作る激務したんだから、それくらい休んでも当然〟とのこと。



「おまえさぁ……!」



 おまえは例の神じゃないだろうがと。

 概念霊【神】として、様々な神の特徴を闇鍋しただけのパチモンだろうがと。


 そうツッコみたいし実際に喚いたこともあるが、〝てか貴様の霊力量じゃオレをいつまでも活動させるの無理〟と言われたので、怒りを呑み込むしかない。


 でもやっぱり吞み込みきれなかったので、「いつまでも寝てんじゃねぇぞニート神が……!」と、小声で罵倒するクローヴィスであった。



『ぐひぃいいッ~! ぐひひひッ、いぞ~カナタきゅんっ!』


 

 なおその【神】。空鳴カナタの戦闘力に大満足しているようだ。

 模擬戦の映像以外にも、【緋々色金ヒヒイロカネ】と対峙した際の残虐な捕獲劇も見ていた。



『ぐふふふふっ。暴走した狼の兄に妹を食わせたり、巨人に拷問かまして精神崩壊させたりと、邪悪極まるのぉ~。即斬首するオウマきゅんとはまるで違うタイプよ。だが』


「ああ」



〝どちらも触れたら危険極まる〟



 帝王と神は同じ見解を出した。



「あぁまったく。オウマ一匹でも厄介なんだが……」



 ――帝国に属さんば国家にあらず――



 そのような文言が流行るほどに、クローヴィスは大帝国リベルタリアを発展させた。

 ニホンもまた、三十年前の『第二次霊滅大戦』にて撃破。その後条約を結び、



『自衛目的外の軍事力の放棄・治外法権の付与・帝国が議席のほとんどを占める共同関税決定機構の設置・霊奏機関への在日帝国参謀官の常駐』



 という、属国化に極めて近しい処置を成した。

 

 これだけしたのだ。

 いずれニホン国は精神性を失う。

 ニホンがニホンであり続けるのは絶望的かと思ったが……しかし。


 

「……戦時中、リベルタリアに情報を売って逃亡したニホン軍将官、十人……」



 クローヴィスは嫌そうに語り出す。



「親帝国派のニホン人政治関係者、百人。戦後の混乱に乗じて犯罪を行っていたニホン人、千人……」



 そして。



「〝リベルタリア万歳!〟とパレードを行った、ニホン全国の無抵抗主義者、一万人! それらをオウマは、しやがった……!」



 ――あまりにも怖すぎる。


 すでに二十年ほど前のことだが、若い頃の不知火オウマは本当に恐ろしかった。



「それにニホンに暴行を働きにいった帝国人旅行者が、全員失踪を遂げたんだぞ!? あれも絶対オウマの仕業だろ!」


『げひひひひひひひッ! あの頃のオウマきゅんは元気メラメラで輝いておったのぉ~~! 若いっていいね』


「よくないッ!」



 ともかくオウマは血の粛清を実行。

 大帝国リベルタリアに靡かんとする者を民間人問わず斬首し、霊奏機関に『霊媒師』認定されたら霊奏機関・総帥を斬首し、捕まえに来た霊奏師も皆殺しにして、新たな霊奏機関の総帥になったのだった。



「おかげでニホンはニホンのままだ。あんな国の守り方あるんだって、めちゃビビったぞ……」


『瀉血というヤツであるな。悪い血を出す医療方法の』


「出血多量で死ぬわっ!?」



 かくしてニホンを守ったオウマ。

 二十代前半で総帥となり、以後十年以上、彼は大帝国リベルタリアの策略を撥ね退け続けていた。

 憎悪を胸に戦い続けた。



「はぁぁ。それでも最近は、オウマにも陰りが見え始めていたのだがな。おまえのおかげで百年生きる超人になったから、多少はわかるさ」



 ヒトを恨むのはひどく疲れる。一人で前に立ち続ければなおさらだ。

 天然の超人であるオウマにもわずかな〝手ぬるさ〟が見えてきた。


 数年前に亜人の兄妹を引き取ったこともそうだ。

 本人は『暴れる危険性を考えれば、我が手に置くのが最良だ』と宣っていたが、もしかしたら、並ぶ者なき寂しさがそうさせたのかもしれない。


 このまま劣化してくれればと願っていた――その時。



「空鳴カナタなんて野郎が現れやがったっ。クソッ、オウマが倒れても、ニホンに二の矢ができやがったぁ……!」



 クローヴィスはがじがじと頭を掻く。


 ――彼は人前では、冷徹な絶対君主として振る舞っている。


 だがその本質は自覚するように凡人。内心では常に焦っていた。



『クククッ。間違っているぞ、クローヴィスよ』


「!」



 と、そこで。【神】の言に顔を上げる。



「間違っている……? ッ、いや、そうか。おまえも言っていたように、オウマとカナタのタイプは両極。ともに最強クラスでも磁極が違う。もしかしたら両者内紛で潰れることも……!」


『違う違う』


「なっ!?」



 一瞬希望を見たクローヴィスだが、麗しき女神はそれを切り捨てた。



『あれらは確かに光と闇。交わることなく、いずれ争うだろうよ。だがそれは……世界の頂上に、両者しかいなかった場合の話だ』


「っ!?」



 世界の頂上。頂点の席。そこに今、誰がいる?

 決まっている。



「ぼ、ぼくか……っ! もしや二人は、結託してぼくを討つ気なのか!?」


『そうなる可能性は高いのぉ~。超ウケる!』


「ウケるかぁッ!」



 クローヴィスは涙目で【神】に殴りかかった。

 だが十二翼が軽くはためくや暴風が起こり、彼は「うわぁあああ~~~!?」と何メートルも吹き転がされた。酷い。



「うぅううううぅうぅう、クソ概念霊め。いつか昇天させてやる……!」


『お、淫語か?』


「ちがわいっ!」



 喚く青年にクスクスと笑う【神】。彼、あるいは彼女は問うた。



『さぁて。ニホンの二大巨頭に襲われ予定のクローヴィスくん。貴様、サムライソードは好きか?』


「か、刀のことか……?」


『そう。あの西洋剣と比べて薄っぺらいヤツじゃ』



 概念霊【神】は手を打ち鳴らした。

 すると地に転がった王冠が浮き、輝き、刀の形となって【神】の手に渡る。


 ――『物質改変』。これが【神】の持つ絶対の力である。


 凡人クローヴィス・ザ・リベルタリアもまた、【神】の力で美貌と強靭さと長寿を得て、『魔神帝』として君臨していられるのだった。



『くふ。刀というのは、薄っぺらく見えて極めて頑丈なものよ。欠けやすいのは刃だけ。芯を折るのは難しい』


「どういうことだ。何の話だ」


『〝硬さ〟と〝柔軟さ〟。組み合わされば鬼すごいって話よ』



 刀とは硬鋼と軟鉄からなる『複合構造物』である。

 ゆえに強いと女神は語った。



『オウマという光だけでは駄目だった。奴は断罪によって成り上がった偶像。悪に温情をかけることができない。してはならない。国民の士気が崩壊してしまう』



 先細りするような苛烈さ。硬すぎる方針。

 オウマとてそれでは駄目だと気付いていただろう。

 偶像性を壊さない範囲で柔軟さを見せ、『八咫烏』という贖罪奴隷部隊を設立した。前途ある罪人霊奏師を助けようとした。


 しかし、一時的に命を救えただけ。心に寄り添うことは出来なかった。


 それはアイドル性が邪魔をするし――なにより彼は、不器用なのだから。



『だが』



 オウマの実力に、並び立つ者が産声を上げた。


 オウマと違い――はた目から見たら――悪辣で、器用に見える赤ちゃんが。



「そこに、カナタという闇が、生まれたと……!」


『応とも。ヤツはまさに受け皿。オウマの治世から零れ落ちてしまった者らを、迎え入れる先が出来たのだ……!』



 必要なピースが、ニホン国に揃ってしまった。



『これまではオウマという〝苛烈な父〟に率いられるばかりだった』



 結果、主体性に欠ける信者こどもらが増えた。

 悪人は存在しなくなった代わりに、悪になるしかなかった者は息が出来なくなった。

 また一人親ゆえ面倒を見切る余裕がなく、叱られない範囲での悪事を覚えた狡猾な者たちが残ってしまった。


 しかし。

 


『そこに、カナタという〝悪しき幼な妻〟がやってきたのだ』



 いつかニホンという家を乗っ取るために――オウマの信者こどもらを脅かし、〝父のために出来ることはなにか〟と、必死にさせる機会を設けた。

 家の隅で泣いていた、悪い子供たちを味方にするために優しく抱いた。

 小狡い者たちもまた、変化を迫られる時が来るだろう。



オウマもまた奮闘するさ。〝この女の好きにさせるか〟とな。我ら大帝国リベルタリアと対峙するより、きっと気分はいいだろうよ』



 憎悪ではなく闘志を燃やし。

 そして自分が倒れても、ニホンという家は残り、大帝国リベルタリアを討ってくれるだろうという希望を胸に。


 自分と同等以上の者が現れた不知火オウマは、内心どれほど嬉しかっただろうか。


 利用し尽くしているのは信頼の証に他ならない。



『げひぃ~~っ! オウマきゅんが往年の強さを取り戻してくれるといいのぉ! カナタきゅんの成長にも期待であるっ』


「よくないし期待するなっ! そいつらはぼくを狙ってるんだぞぉ!?」



 本当にとんでもない話だ。

 クローヴィスは皇帝になんてならなきゃよかったと、肩を落とした。


 そこで。ブブブブブブブッ、と。女神に振動が走った。



『んぁああああっ!? クローヴィスにバイブ仕込まれたぁ~!? 犯す気だー! 神の子できちゃうぅー!♡』


「ちがうっ、携帯が鳴ってるんだ!」



 死ねボケッと悪態を吐きつつ、預けていた携帯を奪い取るクローヴィス。

 そして電話に出て、



「――私だ。皇帝にいったい何用か」



 などと、無駄にキリッとした声と口調で返答。

 そして短く通話し、携帯を切ると……、



「よしッ、よしきたぁああああああ~~~~~~ッ!」



 と、彼はガッツポーズで喝采を上げた。



『どうしたチンカス』


「なぜいきなり罵倒!? も、もしかして死ねって言ったことキレてる!? ごめん! っていやそれよりもっ」



 クローヴィスは【神】にビシッと指を突き付ける。



「聞けっ。なんとニホンに、最上級概念霊が出現するらしいぞ~! これは勝ったな!」



 最上級概念霊――それは文字通り、霊の中でも最大最強の凶悪な霊性を誇るクラスである。


 討伐はほぼ不可能。せいぜい、満足して昇天するまで足止めするのが精いっぱいの存在だ。



「ふふふっ。これでオウマかカナタ、どちらかが死んだら儲けものだなぁ~」


『いやいやクローヴィスよ。もしかしたらあっさり討伐してしまうか、もしやもしや、捕獲しちゃうことだってあるぞ~?』


「ははっ! ありえんありえん!」



 最上級概念霊の捕獲など前代未聞。嵐を小箱に納めようとするものだ。

 眼前の【神】のように向こう側から接触してきたケースを除き、最上位の霊がヒトの手に収まるわけがない。



『どうであるかなぁ~? オレも無理だとは思っているが、万が一って言葉もあるぞ?』


「よーし。そうなったら女装して三輪車でロサンゼルスを一周してやるわ! 誓約を結んでもいいぞ!」


『おおっ、じゃあオレと誓約だ! 破ったら死ぬぞ!』


「おけー!」



 ハハハハと笑うクローヴィス。


 そうしながら指はポチポチと。携帯を弾き、メールを飛ばしていた。



『お、なにしてるであるか~?』


「決まっているだろう」



 青年は、当たり前に言う。



「ニホン人虐殺の準備だ。最上級概念霊に荒らされたタイミングで、全軍攻勢をかけるぞ」


『……ほ~』



 概念霊【神】は、思う。

 それはまた、色々な意味で面白いと。



「オウマにカナタ。あんな天然のバケモノどもと違って、ぼくは凡人だ。死にたくない。だからやれることは当たり前にやるぞ」


『そうか、そうか。ぐひひっ、いーんじゃないか?』



 概念霊【神】は、笑う。

 この百年でずいぶんと育ってくれたと。


 やはり自信のない男を選んだのがよかった。与えた力と状況に翻弄され、必死になってくれた。


 そして――民間人すら当たり前に殺せるようになったことが、分岐点だった。



『立派な王に育ってくれたなぁ。オレの理想通りに』


「なんだ。世辞を言っても小遣いは100ドルまでだぞ」


『お世辞じゃないさ。心から褒めているんだよ』



 嘘じゃない。

 事実、皇帝としての人格を確立した青年は、見事に地球を呑み込んでいった。



「最上級概念霊【神】。貴様を御旗に、世界をぼくが塗り潰してやろう。逆らう者がいなくなるまでな……!」


『それはい』



 概念霊【神】は侵略が大好きである。


 正教神としての部分が疼く。代行者の下、全ての人間を威光に沈めよ、と。

 クローヴィスはなんだかんだで優等生。どうかこれからも順調に頑張ってほしいものだ。


 しかし。



『……理想通りすぎる人間も、なぁ……』



 神は、とても気まぐれであった。




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【Tips】


クローヴィスくん:金髪の青年皇帝。人前ではクール。

元は凡人なだけあり、カナタをめちゃ怖がってる。

でもカナタくんもクローヴィスくんを怖がってます。


当たり前に無力な一般人を殺せるようになってから、【神】の『理想通りの皇帝』になった。

なってしまった。



概念霊【神】:赤・紫・金の螺鈿模様髪女神。基本全裸。性別曖昧。

多くの宗教において最高位の神は〝父〟であるため、実は人格は男性。

でも〝クローヴィスが実はオレに恋してるかも!〟と思っているので明言していないが、そんな気遣いは不要である。


神として神意広まるの大好き。侵略大好き。人の悲鳴と悲劇を感じると制裁神としての部分がキュンキュンしちゃう。

でも――人間には、予想を超える活躍を期待している。



100ドル:【神】の一か月の小遣い。およそ一万円である。

大量に与えたら使い切るまで側に帰ってこないので、こうなった。



王冠くん:皇帝に投げられたり【神】に変形されたり散々。あのあとリサイクルショップに売られた。

復讐を誓っている。



若い頃のオウマ:めっっっちゃ過激。ドンキで暴走族を血祭りにしてモヨコ先生を泣かせていた頃。

ニホンの尊厳守るために頑張って血祭してた。

一応モヨコ先生のことは気にかけており、彼女に責任が行かないように、親帝国派の人間や犯罪者の大量斬首はこっそりやってた。やるな。

でも何年かしたら途中でバレて「もう滅茶苦茶にしてやる!」ってなって、オープン斬首祭りの末に霊媒師認定を喰らって霊奏機関ともバトルして、立ちはだかる者説得して説得できなきゃブッ殺して、最終的に総帥になった。

彼の信者が多いのはアンチ全員死んだからである。

大帝国リベルタリア超極まれり。こんな男が総帥になれるわけないが、【神】が『この男、面白すぎる……!』と断じて許可した。


最近は勢いが落ちてきて【神】もウーンだったが、のちに暗黒イケメン美少女赤ちゃんでハッスルし始めて爆笑する模様。


なお若い頃のオウマ様、

〝未来で赤ちゃん妻に支えられてるよ〟と言ったら、超キレるよ。



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