チャプター8 パッチワーク≪ツギハギ≫(1/2)
麻薬性の成分を体内へ受け入れ、わざわざ
それと教室や廊下で出会った一般学生たちは皆、「知っているか?」「そうなの? 奇特な子だね」などと、
そのために、
実際、
奇特な習慣をなぞって、
「先生ぇー?」
医務担当のソフムは不在だ。
入れ違いになったのかもしれないと考える。
「待っていよう」
そのとき音がした。しゅつる、という
直後、ベッド同士の間に設置されたカーテンの揺らめきの中に、
しかし、シルエットだけでは、それが
人影が
なおも人影は
しばらくの後、手の届く場所までやって来た
そして、堂々と開いたその先で――今まさに統一制服のボトムスを脱ぎ、ボンッ! と
「誰、ですか……?」
連動して、尻の持ち主の顔が
あどけない顔つきをした、
「あっ、えと
「見かけない顔だね。いや、顔自体は毎日ヤになるくらい見てるんだけどさ。もしかして、ソフムの助手さんだったり、するのかな?」
「そういうのではなく……」
「なるほど。じゃあ、わたしの身体をジロジロ見てるのは診察のためではない、と。なんだ変態さんじゃないか」
「そ、そういうのでもなくっ!」
反対の愛玩用≪スキン≫はごめんごめんと言って、
もっとも、愛玩用≪スキン≫の指摘は言霊のような作用をなして、事実
統一制服の上着のみを着て、
上腕筋や胸筋の発達程度について、着衣
下腹部は腹直筋の形に盛り上がり、深い
以上の
「ふーん……みたい?」
「えっ!」
目の前にいる愛玩用≪スキン≫の、大胆な呼びかけに驚いたためだ。
「わたしの身体、
間もなく、
したかに思えた。「えっっ!」
「い、いやっ、えっと! 名前も知らない人の身体を触るなんて、失礼っていうか!」
ようやく愛玩用≪スキン≫の
愛玩用≪スキン≫は服をはだけた状態で
「じゃあ、誰か分かれば、触ってもいいんだね?」
「そんな軽々しく……」
「わたしは
愛玩用≪スキン≫の強硬な態度に折れ、
「
根負けした
同一の遺伝子構造をもつ、≪
多少の個体差を加味しても、本来、それらは愛玩用≪スキン≫の典型の上で酷似するはずだ。
手指に伝わる筋肉の硬さや、いびつな
そして、メラニンが沈着した肌からは、やわらかい温もりが
「きゃああ!」
前触れもなく
直前、
「おっと。お互い知り合えば、触っていい約束だったよね?」
「
「ごめんごめん、ジョーダン。うん。むっちりしてて、いい感じ! ちょっと筋肉量は足りないかもだけど」
「おっ、大きなお世話ですから!」
顔を赤くし、
≪学園≫での講義が終わると、着替えをしてすぐ
はじめは短距離走へ打ち込んでいたものの、最近になり障害物競走に転向したこと。
「
「愚問すぎるね!」
会話中、競技ユニフォームへ着替えをすませた
「なんで、自分が走るのが好きだって――ううん、違う。
「
「だったら一緒においでよ。わたしたち、同じ遺伝子もってるんだし、陸上……やってみたら案外ハマるかもよ?」
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