リプレイ(4/4)
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
『デストレイン~その終点は死~』とは、
しずりの父親が総監督を務め、
経年5年の頃の
作品の
物心がついたばかりの
「いけーっ! そこに逃げ込んだぞ! しねー!」
「もっところせーっ!」
エキサイトし、スクリーンに歓声を飛ばす、幼体≪スキン≫の
2人は、魔列車が人間たちの身体を引き裂けば喜び、触手でつらぬけば
『デストレイン』がエンドロールを迎える頃、2人は
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
そして――およそ7年後。
『デストレイン』はその実、何も変わっていない。
≪スキン≫惨殺ムービーとしての鮮烈さも、マニア志向の
また、
液晶の光を浴びて、
画面を
それは映画を純粋に楽しんでいることと
しずり。しずりがおかしい。
父親が制作した映画、親友と大盛り上がりをしながら観た映画。
内容を知っているのであれば、脳裏にこびりついた名場面をリプレイし、
あるいは、憶えていなかったとして、無知からくる疎外感を避けようとする人間の心理に照らせば、構図・セリフ・効果音・BGMなどから、思い出につながる手がかりを探そうと
「……しずりん」
「あっ、うん。なに?」
しずりはホームシアターを満たした『デストレイン』の世界へ
「あー、そういう感じね」と、今にも口に出しそうだ――
『
「(なんで、そんな顔してるの? しずりん、この映画、
しかし、たとえ疑心暗鬼の
しずりんは、死んでしまったの?――と。
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