バースデイ(4/4)
≪学園≫の一日のカリキュラムが終わり、学生たちはまばらに帰宅の準備を始める。
一方、しずりは正門の前まで来ると足を止め、
「ぼく、これから映文会の集まりがあるから。みすぅ先に帰ってて!」
「えっ。なんで? しずりん、1人で大丈夫なの?」
「いや、もう子どもじゃないから! ていうか普通に路線バスあるし。じゃばいばい」
「うん……またね」
双子のきょうだいのような背中を見送る
しばらくすると、帰宅に向かう≪スキン≫の奔流が
巻き込まれるわけにはいかないと、
その日、
とある時刻を過ぎた三四秒後、寝床から
目を覚ました、つまり翌朝のことだ。
首元の
私室からリビングに下りた
昨夜の夕食の残りを
「おはよう、お母さん。パパ」
「おはよう
母親が飛び跳ねながら座席につく。
「≪学園≫は楽しい?」
「もう、パパそれ
父親の投げやりな質問に
「そうか。ソフムって、パパ見たことないけど、すごい頭いいんだよな?」
「そだね。見た目じゃ分かんないけどね」
すると父親は卒然、
「パパも一度でいいから
「ちょ、ちょっと!」
「ん?」
「今のなに? バスが事故、しずり、ん、えっ……」
リビングには、別の時空の
その隣に座った母親も、肉汁をすくうスプーンの柄に指先を保留し、
「しずりんが死んだって、ホントなの?」
「そうだけど……」
父親が震えながらの息
「だから、うちの工場に経年12年で新≪スキン≫を作ってくれって発注来たの。そこにしずりさんの分もあってさ」
「なんで……何、それ」
「何言ってるの?」
「よかったじゃない。早めに死亡確認が取れて」
「ああ。そうだよな。
父親は
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