チャプター2 スキン(1/2)
何度目かの、空が明いた朝。
頭のベルをもがれた元目覚まし時計が、
部屋の主が起きる時間が、
ところが、
「うぅん、まだ朝じゃない……?」
底冷え。
無理な寝相。
夢魔。おもらし。
そのとき
これだ!
この下に真相が
スポンジからむしり取った
これが人肌の密閉空間内に生え散らかしていた。
「
加えて、見知っただるだるのスウェット姿。
一瞬にして、
そしてその正否は、
「しずり、ん?」
「そーだよ。ぼくだよ」
長く白い毛は肯定する。
左手に前髪をまつわらせ、力強く
白い障害がなくなったことで、人物の表情が光の下にさらされる。
浮かべているものは、子どもらしいはにかみ笑い。
しかし、独自な使用感のあるスウェットとは
「……しずりんなら、分かるよね?
親友のふりをした――姿はまったくの同一の、反面
「うん」
「
まさしくパスコード的な証明を求める。
「えっ、と……」
しずりを
「ああ、ああ……わかるよ。わかってるって! 待って。あー、タイトル出てこない。待って。たしか、沼で暮らす緑色の巨漢がファニーなロバとドラゴン退治に行って、助け出した姫様といい感じになるんだけどしょうもないケンカ別れして暗君に
しずりを貼付した人物は、鬼気迫る表情で頭をかかえながら
正面から対する
「いい感じって、姫様とロバが?」
「なんでや。だとしたら緑色の巨漢が暗君と……ってことになるじゃん」
「そっかぁ。でも、
「……はあ?」
「なんだったのよ今の」
しずりを貼付した人物は
そのとき、
息をすいこむ動作にもふふっ、
しばらく黙していた人物も、
「おかえり……っで、いいんだよね? しずりん」
「違うよ。おはよう、だよ」
その言葉を聞いた
喜怒哀楽の
しずりの胸のスウェット生地にこめかみを埋める
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