チャプター3 リプレイ(1/4)
「あれっ、また? ヘンだなあ……」
場所は≪学園≫、新入生のクラスが並ぶ教育棟の一角。
教室入口にあるリーダーで
「しずりん……ここもダメみたい。もう全部ためしたよ」
「そうよねー。どうしよ――って、なんかポップしてない?」
10数分の苦闘をへて、2人はようやく問題の手がかりを見つける。
人倫統制器のリーダーの液晶画面に浮かび上がった、エラーコードとは異なる表示をしずりが読み上げる。
「『園外学習を受けていません。通常講義を受けることができません。補講の時間です。
「よく分かんないけど、二階に来て! ってことだよね」
何ものかの誘導にうながされ、2人の足が≪学園≫上階の開放スペースに向かう。
当該の場所とは、ピクニックテーブルに似た卓席一体型のテーブルが不規則に
そのため、「テーブルに集合」という言葉に、
「せめて
しばらく進むと、人だかりのできた窓際の一角へ行き当たる。
その周辺のテーブルにはモップのような
奥から足音が聞こえてくる。パチパチと、重量ある爪先で床をたたき
真っ白い目印がぞわぞわと、建物の陰から
その中でひっそりと誰かが顔面モップをするが、
「おはようございます、不良学生
「あの先生ぇ、どうゆーことですかぁ?」
1人の、まげを結った愛玩用≪スキン≫が、不良学生の言葉に
「なははっ。どうもこうも……義務を全うしない
「全然分かんないんだけど……」
「むう。時間が
「それしょうがないじゃんっ! 義務違反にはならないでしょ!」
「どうどう、落ち着いて。そゆわけですので、今から工場へ園外学習に行きましょうということです」
ソフムの言い分に納得できる者はいなかったが、その場の全員がソフムの指示によって開放スペースを後にし、移動手段の待つ≪学園≫鉄道駅入口にうつる。
「しずりん、あの人たちのこと憶えてないの?」
あの人たち、バス車内でともに
「えっ、ああ、うーん。まあ、あのまげは居たかも。他は似たり寄ったりだし」
しずりはそっけない回答を返すと、ソフムたちの後ろについていく。
やがて、駅舎の前に現れたものを目にした
「みすぅ、どしたの?」
「……
「みすぅ、送迎車派だもんね」
「そうじゃなくて……なんで、しずりんたちが事故に
「もう、みすぅったらまたぁ……」
親友の死に連結する、あらゆる事象を避けようとする
しずりはため息をつく。
他の2代目の愛玩用≪スキン≫たちはコンベヤの上を流れるように、整然と並んでバスに次々乗り込む。
学生たちの背後について搭乗を待つソフムが、
左
「『なんでちゃん』、早く乗ってくださいね。ここはまだ教室じゃないですよ」
ソフムはこの場の多数派を代表して、
もっとも、
負け惜しみに「おかしいよっ……」と口にし、
しかし、今日の日の棺桶が向かう先は
一同は都市の中心部へ。
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