な行

空高く、抜ける青を、眺めては、

繰り返し、目眩のような、夢を見て、

蝉の声、耳をつんざき、響いてく、

歪んでは、消える陽炎、夏の日に。


な「夏」



淡々と、過ぎゆく日々を、歩いては、

変わらない、昨日と同じ、朝が来て、

繰り返す、明日の予習の、今日を過ぎ、

少しだけ、変化を望む、夢を見る。


に「日常」



尻餅に、跳ねる泥を、払いのけ、

重い足、動かし進む、その最中、

転んでは、起きる振りして、拭い去る、

頬伝う、涙の跡に、気付かぬ振り。


ぬ「泥濘」



安息な、明日を思い、眠れども、

変わりゆく、今日の終わりを、垣間見て、

流される、速さの中の、その孤島、

願っても、届かぬ声の、子守歌。


ね「願い」



天翔る、舟を見送り、逃げていく、

濁流の、渦巻く中に、残された、

宛のない、呼び声響き、消えていき、

行き着いた、名もない場所の、逃避行。


の「ノアの方舟」

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