か行
流れ来る、鳥を仰ぎ、追いかけて、
夏の日の、終わりを告げる、風ひとつ、
見失い、迷う日差しの、その中に、
揺らいでる、小さな花に、潜む月。
か「花鳥風月」
□
明け方の、人影ひとつ、見当たらない、
冷えきった、駅のホームに、ただ一人、
来るはずの、電車を待てど、追懐の、
記憶の中に、浮かんでは、
霞んで消える、君の影。
き「記憶行き」
□
晴れた日の、午後の日差しの、その中に、
風を受け、飛び立ち空を、切り裂けば、
夏空の、青に混じらず、消えていく、
見えもしない、堕ちる事さえ、許されず。
く「グライダー」
□
送らない、言葉を綴り、見つめてる、
宛名の無い、画面が光る、午前四時、
送信の、ボタンはいつも、未使用の、
削除画面、全て消去、さよならと。
け「携帯電話」
□
力無き、声を紡ぐ、その喉に、
問いかけど、帰るはずない、その答え、
待ち続け、震える呼吸、聞き取れず、
伝えたい、事さえ既に、分からずに。
こ「言葉」
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