第5話 大森林へ
依頼を受けた後のこと、俺はすぐにアパートまで戻って、マーちゃんにことの
組合が持ってるアパートは1ヶ月に銀貨2枚っていう普通の物件だが、石造りで壁が厚いことに今日ばかりは感謝だ。
長さと重さはメートル法のこともあって
そんなことをマーちゃんにも話したら、かなり興味を持たれたようだった。
「メートル法以外に
各世界の
(※環流:水もしくは空気の流れなどが、めぐり流れること。)
マーちゃんはそんなことを言いながら、部屋の中をプカプカと泳ぎ回っていた。
「そういえば、マーちゃんは文化的な物品の収集もやってたんだったな。
部屋の中は祈りを
こういうのも文化的な品物だってことで、マーちゃんは喜んで回収してくれた。
「これは探索と野営用の道具だな。一般的な品物か……実にありがたい。野営と収納については任せてくれ。
それとなケンチ、大陸公用語の辞書と教科書があると助かる」
寝袋からランタンまで全部持っていかれたが、部屋がスッキリして助かった。
マーちゃんからは大陸公用語の辞書と教科書を
マーちゃんとそんなやりとりをしつつ、俺は探索用の装備を手早く身に付けていった。
下着は綿のアンダーシャツとパンツ、それからグレーのタートルネックのようなシャツを着て、革のズボンと綿の靴下、革のジャケットは前を全部
こっからは
武器は腰にベルトを巻いて、笹の葉みたいな投げナイフを10本、解体用の
7
こっからは徒歩で大森林まで行かなくちゃならない。
マーちゃんのおかげで、
衛星都市ズットニテルの
自慢には全くならないが、俺は
ちなみに探索者の等級ってのは強さとはあまり関係がない。
石・鉄・銅・青銅・銀・金・魔銀・神鋼の8つの階級があるが、どれだけ
俺は街から出て商用の街道を
「マーちゃん、もう出てきても大丈夫だぜ。ここら辺は行商人も来ねえ。同業の奴らで
3キロメートルほど歩いたところで、マーちゃんに声をかけた。
ここは大森林ほどじゃないが、木がそれなりに生えてる林道で、見通しも
「
マーちゃんからは
大体ここの樹をぶっこ抜いてどうするつもりなのか俺にはさっぱり分からなかった。
「マーちゃんはアレか? 文化財の収集だけじゃぁなくて、
「ケンチ、世界を構成しているのは目の前の全てだ。観察とは全てが対象になりうる。その足元の
私は観察し、それを可能な限り記録しておきたいのだ」
マーちゃんは意外と探求者だった。
俺は足を止めて聞き入ってしまった。
その間に『
俺の知らないところで微生物の採取はされてそうだ。
「そう言えば私のことを話してなかったな。最初は惑星系や恒星系を分解して食べていたのだ。当時は気がつかなかったが『重力
超銀河団を食いつくした辺りで『あの空間』に閉じ込められた。
多分、神と呼ばれる上位者の仕事だろう。
それからは時々、他の世界と『あの空間』が
他に出来ることも無いので世界の観察をすることにしたのだ」
(※銀河の集まりを銀河団と呼びます。銀河団の集まりが超銀河団です。)
(※重力崩壊:物質はある程度集まると内側に向かって核融合をおこします。ものすごく質量が多くなるとブラックホールになったりします。)
今聞いたことが全て真実だとすると、マーちゃんは俺が考えている以上の存在だった。その話には妙な説得力があって、ウソだとは思えなかった。
大森林に向かう道すがら、後で教えてもらおうと思っていたことを俺はこんな場所で聞いてしまった。
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