第6話 後輩にゃんこ

クッキーが召されてしばらくしたある雨の日の夕方のこと

コツコツコツ…

ガチャッ

あっ!とうちゃんがお外から帰ってきた


とうちゃん、お帰り

ん?何かいつもと違うよ


とうちゃんは

おうちにはないバッグを持って帰ってきたの

そのバッグから何か聞こえる

なに?なに?

「ミャア ミャア」

あっ!にゃんこの声だ!

とうちゃんは子猫を連れて帰ってきたんだ


とうちゃん、とうちゃん!

その子どうしたの?


とうちゃんが言うには

たまたまお昼ごはんを食べに入った中華やさんにその子はいたんだけど

めっちゃとうちゃんと遊びたがってたの

そんでね

お話を聞くと

ママと離ればなれになっちゃって困ってたときに

中華やさんのお母さんがあったかいお部屋でごはんをくれたんだって

でも中華やさんではその子を育てることができなかったみたいで

最終的にとうちゃんが連れて帰ることになったんだって


とうちゃんが仕事帰りにもう一度中華やさんへお迎えにいって

そしてその子はぼくの後輩ちゃんになったんだよ

その子は

物怖じすることなく

おうちに来てすぐにチョロチョロチョロチョロ探険してたから

「ちょろ」ってお名前になったんだよ


ぼくとちょろは最初ほんのちょっとだけ警戒したけどすぐに仲良くなって

ごはん食べるのも

遊ぶのも

おねんねするのも一緒だったんだ


ちょろがおうちに来て数日後

とうちゃんは

ぼくたちの様子をみて

これなら大丈夫って

中華やさんに報告にいったんだけど

なんと、その中華やさんはもうお店やめちゃってたんだって


その時

とうちゃんがぼくたちに

これこそ一期一会だね~って言ってたけどどうゆうことなの?

わっかんな~い


こうしてぼくととうちゃん、そしてちょろの新しい生活が始まったんだよ


それからあっという間に10年

ぼくたち3人はとっても仲良しに暮らしてるんだぁ

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