正義殺人２

正義殺人２

　あ、そのままでいいよ。

　うん、お前だけがお楽しみのところ申し訳ないけど。

　え？　どこから入ってきたかって？

　まぁ、一階の書斎の窓から石で叩き割って入ってきたんだよ。

　さてと……まぁ、そんな話はどうでもいいじゃないか。

　問題は今、お前が何をしているかって事だ。

　しつけ？　ふーん、そうかい。

　君の奥さんと子供をアザだらけになるまで殴るのがしつけかい……へぇ、そうかい。

　ふんふん……よく分かったよ。

　あー、うるさい。

　叫ぶな、騒ぐな。

　たかが足に銃弾があたっただけだろうが。

　あぁ、奥さん。それにオチビちゃん。

　怖がらなくていい。

　お兄さんは君達の味方だから。

　このお金で安全な場所に……もちろん、警察でもいい。

　君達の身体を見ればすぐに気づいてくれるだろう。

　さぁ、いきなさい……おい。

　お前は逃げるな。

　あぁ、両脚を動けなくする予定はなかったのに。

　まぁ、いいか。

　……よし、二人は外に出たみたいだな。

　さてと……お前には色々としつけてやらないといけないな。

　なぜ自分がこんな目にあっているのか分かるか？

　ん？　答えろよ！　おいっ！

　答えろって言ってんだよ！

　なんで！　なんで！　なんで！　なんで！

　俺の言う事が聞けないんだよ！

　あぁっ？！　誰のおかげでお前を生かしていると思ってんだ？！

　俺の！　言うことを！　聞けない！　奴は！

　こうだ！　こうだ！　こうだ！　こうだ！

　……痛いか？　涙でグシャグシャになりやがって。

　お前の奥さんと子供はこういう気持ちだったんだ。

　こういう痛みを味わっていたんだ。

　……なに？　許してくれ？

　てめぇっ！　このっ！

　誰に！　誰に！　ものを！　言っているんだ！

　クソッ！　クソッ！　クソッ！

　何でもかんでも自分の思い通りにならないと苛立ち、暴力に発展する。

　鬼畜外道で、傍若無人なお前に生きる価値はない。

　お前は死ぬんだ。

　ん？　怖いか？

　お前は今日だけかもしれないが、奥さんと子供は毎日のように怯えていたぞ。

　お前にな。

　楽には死なさせない。

　もちろん、警察に身柄を預けるつもりもない。

　どうせ弁護士なんか雇って、情状酌量（じょうじょうしゃくりょう）の余地があるとか言って、十数年ぐらいで社会に復帰するだけだ。

　だったら、俺がここでお前の人生を終わらせる。

　たっぷり痛めつけてから……な。

　おいおい、泡をふくな！

　起きろ！　起きろ！　起きろ！

　気絶なんかさせないぞ。楽に死なせてたまるか！

　お前みたいな奴は、人の痛みも分かってない奴は、自分が家庭の支配者だとか思い込んでいる奴は。

　地獄の拷問でしねぇええええええい！！！

　……あぁ、サイレンだ。

　脈は……もうないか。

　もう少し痛めつけたかったんだがな。

　仕方ない。

　念のため、眉間に一発……うん、これであの世行きだ。

　じゃあな、地獄でもっと苦しめよ。

　次は誰にしようかな。

完

※1を見ていない方はこちらから

https://kakuyomu.jp/works/16818093081128746767