第3話 - 第一回雑談配信は平和な質問コーナーのはずでした

あかり「はいどうもみなさんこんにちは!トキメク魔法をあなたの心に!トロイメライブ二期生の琥珀あかりです!挨拶長いのでそろそろやめます」



 ===コメント===

・よしきた

・2回目の配信で挨拶を捨てた人

・2回目の配信って同接落ちるもんやけど結構あるな

・もうキャラがよくわからなくなってきた。

・雑談配信wktk



 初配信から翌日、第一回雑談配信をすることになったのだが、1日でだいぶキャラが崩壊してきた気がする。まぁ問題ない...と思いたい。



あかり「ということで普通なら雑談でもして質問コーナーに移るところですけ私にそんな話術はないので早速質問コーナー行きましょう」



 ===コメント===

・おいw

・大丈夫かこの人

・情報過多枠かと思ったけどメタ枠か

・このビジュアルでその発言は草

・わいの推し情緒不安定なんやが

・二日目でこれかw

・わいが送った質問あるかな



あかり「ということで、突発で質問募集したけど結構集まったよねぇ、できればいっぱい答えていきたいから簡潔に終わらせられる質問からどんどんいっちゃうねー」


 唐突に質問を募集したが、結構集まったため雑談はしなくてもおそらく1時間は取れるだろう。雑談配信のタイトル詐欺になりかねないが、これにはちゃんとした理由がある。


 トロイメライブ一期生はなんというか全体的にやんちゃで、よく二期生の配信に、特に質問コーナーをしている時に出てきているのを私は知っている。一期生と接点を持つには一期生から来てくれる方が都合がいいのだ。


あかり「ということで記念すべき最初の質問は『好きな男のタイプ!!!!』ということでなぜか返信欄の一番上にいましたねー、ちなみに私は百合の方が好きです」



 ===コメント===

・ん?

・おっとw

・なんかさりげなくすごいこと言わなかった?

・ワイの送った質問やん!?

・えっ?んっ?

・これは百合勢もニッコリ

・こいつオタクの理想足して割り忘れた様な属性してんな



あかり「ということで百合繋がりでポン、『好きな一期生は誰ですか?』というので一期生は箱推しだけど断トツで水野リン先輩です。なんなら私はリン先輩に会うためだけにトロイメライブに入ったと言っても過言ではない。だって事実だから」



 ===コメント===

・大体予想できてたけどやっぱリンちゃんか

・一期生というかトロイメライブの看板やもんな

・ん?百合繋がりでこの質問ってことは

・一期生とのコラボいつだろ

・リンちゃん見てるのかな

・↑あの人のことだし見てそう



あかり「テンポよく次の質問行きますか、『好きな食べ物と嫌いな食べ物』、好きな食べ物とかはないかな〜、でも私は柑橘系が苦手だよ、食べられないわけじゃないけど率先して食べない的な?」

あかり「次の質問は『猫と犬どっちが好きですか』だね、私はアレルギー持ってるけど猫の方が好きかなぁ...あ、ちょっと待ってなんでもない最初からやり直させて」


 ===コメント===

・?

・どったん?

・あっ(察し)

・これは言葉選ばないとな

・※わからない人向け、一期生には猫と犬をモチーフにした二人組がいます

・↑ありがと

・これは失言

・無事に引っかかったな



 記憶にはあったはずなのにすっごい忘れてた...トロイメライブには定番ネタとして犬猫どっちが好き質問がある。それは一期生の中に猫をモチーフにした猫矢ルナと犬をモチーフにした犬甘太陽がいることに由来していて、どっちも好きと答えないと好きと言わなかった方に呼び出されるという謎文化があることを完全に失念していた。


あかり「どっちも好きです!犬も猫もかわいいね!よし次行こう!」



 ===コメント===

・これは近いうちに一期生とのコラボかな、たっぷり絞られてきましょう

・この質問こんな意味もあったのか

・これで本人巡回中だったら面白い

・多分すぐに見つかるんだろうなぁ

・初日でPON、翌日に失言ですか、やりますねぇ

(犬甘太陽)・(´・ω・)

・ふぁっ!?

・いたw

・生きて帰ってこいよ

・呼ばれなかった方の人だ()

・二期生にもやるんですねそれを

・これは草


あかり「あっ...これはこれは太陽先輩じゃないですか。ちょっと以上で配信を終わろうかと思うんですがどうでしょうかね。...えぇっと、たった今太陽先輩からコラボのお誘いが来ました。逃げていいですか」



 ===コメント===

・だめです

・ダメです

・行きましょう

・逝きましょう

・コメ欄の団結力すごいな

・お疲れ様でした

・やったね一期生とコラボする最初の二期生だよ

(猫矢ルナ)・猫アレルギーについてお聞きしたいことが

・あっ

・あーあw

・これはひどいw

・逃げ道すらないの草

・八方塞がり

・今までありがとう(二回目)



あかり「あっルナ先輩...えっと...今日の雑談配信はこれで以上としま...ルナ先輩からもコラボのお誘い来ました逃げていいですか」



 ===コメント===

・駄目です

・逝きましょう

・生きましょう

・なんか既視感

・この流れ見たことある

・早速他の二期生に差をつけてますね

・まぁ怪我の功名ということで



あかり「とりあえずコラボはいいので...詳しい内容は配信後確認します。とりあえず雑談配信進めましょう」


 そうして、2回目の配信で無事事故を起こしながらも、質問コーナーは続いていく、犬猫の話題になると時々先輩お二人が出てくるのはやはりかわいい。この二人の配信は途中から見始めたので全部知っているわけではないが、なんというか...言葉に表せられない尊さがある。


 そうして多くの質問に答えていきながら、そろそろ時間も時間なので締めの質問へと入る


あかり「じゃあそろそろ時間も時間だし最後の質問行きますか、最後は適当に目に入った質問を...『すっごいキャラ設定ですけど今後の方針とか目標とかあるんですか?』か...うーん、これかぁ」



 ===コメント===

・キャラ設定て言っちゃってるよ()

・あれ?そういえば目標とか聞いてなかったな

・今考えると初配信で目標の発表しなかったけど

・今後の目的気になる

・この濃い設定でどう生き残るのか()



あかり「いやぁじつはね、これと言ってないんだよね...」


 実際、私はTS転生してから推しとイチャラブするためだけにここまでやってきた、目標というのであれば推しと遊ぶとでも言えるが、それではすぐに叶ってしまう。Vtuberが示す目標というのは無理そうだけど努力があればいけるという様な感動的なものでないといけないと思っている。であるならば適当な目標を設定するわけにもいかない、それは本気で目標を目指す全ての同業者に失礼だ。


 ただ、そんなことをそのまま言うわけにもいかないので、どんな返答をするか迷っていたが、ある言葉が頭に浮かび出てきた。


あかり「『周りに嘘をついてもいいから、自分には正直になって欲しい』、これは一期生の水野リン先輩の言葉なんだけどね、好きなものを隠したりしてもいいけど、自分自身の気持ちまで嘘をつかないで、そんな意味があるんだけどね、私は確かにちゃんとした目標はつけてないけど、自分がやりたいことをやる。だから少なくとも私がVtuberやってる...じゃねえわ、世界守ってる間は自分に嘘をつかずやりたいことをやっていきたいと思うな」



 ===コメント===

・急にスッゲェ真面目なこと言うやん

・すっごい感動できそうだったのに最後で台無しやw

・うーん最後()

・やりたいことやる...一体何をするつもりだ?

・やりたいことやる...一体何をやらかすつもりだ?

・↑やらかす前提かよ

・最後のせいで名言が迷言になっちゃったよ



 自分の前世の持論をこんなところで持ち込むとは思わなかった、この名言はリン先輩の“あの事件”が起きるまでずっとこの解釈がされ続けてきた。「周りに嘘はついても自分だけは偽るな」、だけど、この意味は違った。これの本当の意味は「周囲と意見が違くても、自分自身を貫け」という言葉の意味合いだった。そしてこの名言の真の意味合いが判明するのは...


 ...水野リンが、会社との方向性を理由に卒業する時だった。







 ===あとがき===

深夜テンションで始めたつもりが、時間が経っても結構スラスラ書けるの不思議〜、ということでそろそろもはや書くこともなくなってきたという。ところで、同じく深夜テンションでなんとなく投稿しただけだったのに、いつのまにかかなり多くの人に見てもらえて嬉しいです。今のモチベが続けば毎日2投稿も夢じゃない...いやちょっとそれは豪語しすぎたかも()


まぁ、みんな見てくれてありがとう!モチベになるし♡や☆よろしく!ってことです。それじゃまた夜にでもお会いしましょう


(2024/08/13追記)誰のセリフかわかりずらかったんで全セリフの前に名前を挿入しました

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る