第3話 手がかりと新たな疑念

翌日、学校に着いた月子は、ラブレターのことで頭がいっぱいだった。昨日の夜もそのことが気になってよく眠れなかった。授業中も心ここにあらずで、何度もラブレターの内容を思い返していた。


教室に入ると、月子はまず彩の机に目を向けた。彩はすでに本を広げており、落ち着いた様子で読書に没頭している。月子はその姿を見て、またしても手紙のことを思い出しながら、どこかで手がかりを得られるかもしれないと考えた。


昼休み、月子はいつものように友達と一緒に食事をしていたが、心はどこか別のところにあった。真奈が楽しく会話をしている間、月子は意識的に相槌を打ちつつも、どこか遠くを見つめていた。


午後の授業が終わり、月子は再び教室で手紙を取り出して内容を確認した。手紙には特に差出人についての具体的な情報は書かれていなかったが、手紙の書き方や言葉遣いから、差出人は月子が想像していた以上に彼女に対して深い感情を抱いていることが伝わってきた。


放課後、月子は再び教室に残り、手紙の持ち主を見つけるための手がかりを探すことにした。机の中や教室の隅々まで確認したが、何も見つからない。そんな時、月子はふと、教室の隅に置かれている小さな机に目を留めた。そこには、彩が以前読んでいた本やノートが散らばっていた。


月子はそっと近づき、彩の机の周りをじっくり観察した。手紙に関するヒントがないか、真剣に探していたが、その時、机の上に何かが落ちているのを見つけた。


その紙には、「昨日の放課後に見かけたもの」とだけ書かれていた。月子はその一言が、手紙の差出人に関する手がかりかもしれないと考え、その場で紙をじっくりと読み直してみた。


月子がその紙を持っていると、ちょうどその時に中村彩が教室に戻ってきた。彩は月子を見て、一瞬驚いたような表情を浮かべたが、すぐに冷静さを取り戻して近づいてきた。


「月子ちゃん、それ…何かあったの?」と彩が尋ねる。


月子は紙を見せながら、「これ、何か知っている?昨日の放課後に見かけたものって書いてあるんだけど…」と答えた。


彩は少し考え込むような表情をし、やがて「実は、昨日放課後、私が教室で何かを探していたんだけど、その時に見つけた紙かもしれない。ごめん、あまり記憶がはっきりしていなくて…」と説明した。


月子はその言葉を聞きながら、彩が知っているかもしれないと感じたが、具体的な手がかりがつかめないままだった。彩の言葉には一抹の不安が混じっており、何かを隠しているようにも見えた。


夕方、月子は家に帰り、手紙とその紙をじっくり分析する時間を持った。手紙に書かれている言葉やその紙のメモから、自分の直感を信じて何かを見つけ出すために、さらに深く考えることに決めた。手がかりはまだ不明瞭だったが、月子はそれを解明するために、明日も引き続き調査を続けることを決意した。


月子の心の中には、ラブレターの真実が明らかになるまでの期待と不安が入り混じっていた。そして、次の日にはさらに新しい展開が待っていると信じていた。

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