制服と手紙と未来

第2話 謎のラブレターの正体

放課後、教室の窓から差し込む柔らかな光が、月子の心の中の混乱をさらに際立たせていた。ラブレターの内容を何度も読み返しながら、差出人の手がかりを探すために目を凝らしていたが、手紙の持ち主に関する情報は一向に見つからない。

教室の中で、月子は友人たちに自然に話しかけながらも、どこかそわそわしていた。真奈はその様子を見て、心配そうな顔をしていた。

「月子、何かあったの？」

真奈の問いかけに、月子は一瞬戸惑ったが、すぐに笑顔を作り直して答えた。

「ううん、なんでもないよ。ただ、ちょっと気になることがあって。」

真奈は納得した様子でうなずき、月子に何も言わなかった。しかし、月子の心の中には、ラブレターがどんな意味を持つのか、そしてその差出人が誰なのかという疑問が渦巻いていた。

放課後、部活動や自習の時間が過ぎる中、月子は気になることが一つずつ解決していくことを望んでいたが、手がかりは見つからないままだった。友人たちと一緒に帰る時間になり、月子はふとした拍子に、自分のクラスメイトである中村彩が昨日、何か手紙のようなもの手にしていたことを思い出した。彩は本を読んでいることが多いが、その手元に何か別の物を持っていたような気がした。

放課後、教室を後にする前に、月子は彩に近づいてみることにした。彼女が静かに本を読んでいる姿は、まるで誰かの秘密を守っているようにも見えた。

「彩ちゃん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど…」と、月子は少し緊張しながら声をかけた。

彩は顔を上げ、驚きと少しの不安が混じった表情を見せた。「どうしたの、月子ちゃん？」

「昨日、教室で何か手紙のようなもの持っていたような気がしたのだけれど…」

彩は一瞬戸惑いながらも、少し考えてから答えた。「うーん、昨日は特に…」

その返事に、月子は少し肩を落としたが、まだ諦めるわけにはいかないと自分に言い聞かせた。手がかりは見つからなかったが、他のクラスメイトたちにも聞いてみるつもりだった。

放課後の校庭で、月子は帰る準備をしていた。彼女はラブレターのことが頭から離れず、どうしても差出人を見つけたかった。そんな時、教室のドアの前で、えなこが何かを急いで探しているのを見かけた。

月子は思い切って、えなこに声をかけてみることにした。「えなこちゃん、何を探してるの？」

えなこは驚いた顔をしながらも、すぐに「うーん、ちょっとしたものを失くしちゃって…」と答えた。

月子はその様子を見て、もしやえなこが手紙のことを知っているのではないかと少し期待を抱きながらも、その場を離れた。帰り道、月子はラブレターの差出人が誰であるのか、まだ答えが見つからないまま、自分の家に向かうことになった。

夜、部屋に戻った月子は、再び手紙を取り出し、内容をじっくり読み返しながら、自分の心に問うた。差出人が誰であっても、その手紙が月子にとって特別な意味を持つことだけは間違いないと感じた。

ラブレターの真実を知りたくてたまらない月子は、これからの学校生活で手がかりを見つけるために、その謎に挑むことを決意したのだった。