第2話

ある日、私は学校の帰り道に、ふと立ち寄った本屋で料理の本を見つけた。


料理が好きで、最近は新しいレシピに挑戦するのにハマってて、


最近はお弁当も自分で作ってる


「美味しそう…!」

美月は本を手に取り、ページをめくった。


これ、悠くん好きそうだな、


「悠くんにも食べてもらいたいなぁ」


その夜、早速新しいレシピに挑戦することにした。


その前に、明日悠くんがお弁当を持ってこないように、メール送っとこっと。


"悠くん明日はお弁当持ってこないで!"

"分かった。だけど、どうして?"

"内緒〜"


これでよし!


キッチンに立ち、材料を揃えて、レシピを見ながら料理を始めた。


「えっと、次は…あれ?」

レシピを見ながら、少し混乱していた。


「塩、塩…どこに置いたっけ?」


キッチンを探し回り、ようやく調味料を見つけた。


「よし、これで大丈夫!できた!」


満足げに料理をテーブルに並べた。


「悠くんも、きっと喜んでくれるはず!」



翌日、弁当を持って学校に行き、昼休みに悠くんに渡した。


「え、これ、結愛が作ったの?」

「そうだよ!頑張って作ったの!」


「ありがとう」

そう言いながら、悠くんは嬉しそうに受け取った。


「どういたしまして」


そんなに喜んでもらえて、私も嬉しい


「今日は記念日だね」

「え?記念日?」


今日何かあったっけ、

大事な日を忘れるなんて、


「結愛が初めて僕にお弁当を作ってくれた記念日」

「も、もうびっくりしたじゃんか!」


だけど、記念日にするぐらい喜んでくれて、なんか少し照れくさい


「ごめんごめん。でも、どうして急に?」


悠くんは不思議そうに尋ねた。


「実はね、昨日本屋で新しい料理の本を見つけて、それを見てたら急に作りたくなっちゃったの!」


「そうなんだ。結愛の料理、楽しみだなぁ」


悠くんはお弁当の蓋を開けた。


「いただきます!」

悠くんは一口食べて、目を輝かせた。


「本当に美味しいよ、結愛!」

「よかった!」


頑張って作った甲斐があった。


「この卵焼きも美味しそうだなぁ」


一口食べた瞬間、悠くんの顔が少し歪んだ。


「悠くん…?」

「この卵焼き、すごく美味しいよ」


美味しいって顔じゃなかったような…

ま、気のせいか


「ほんと?良かった」


「あのさ、」

「ん?」


「結愛の卵焼きも貰っていい?すっごく美味しいからさ」

「もちろん!どうぞ!」


「ありがとう」

とても気に入ってくれたのか、私の卵焼きも完食した。


その後も、お弁当を食べながら、楽しい時間を過ごした。


「料理頑張って沢山作って、次はもっと美味しく作るから、待っててね!」


「今回も美味しかったけど、楽しみにしてるね」

「うん!」


そうと決まれば今日から特訓だ!


「…だけど。結愛が一生懸命作ってくれたことが、一番嬉しいんだから、あんまり無理はしないでね」



そう言って、


悠くんは絆創膏をしている私の指を、優しくなでてくれた。






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