天然ガールと優しいボーイのハッピーライフ

@hayama_25

第1話

放課後の教室。

私は友達と一緒に宿題をしていた。


数学の問題が難しくて、頭を抱えていると、友達の未華が声をかけてきた。


「なんか、今日の問題も超難しくない?」

「難しいね、頭がこんがらがっちゃう」


「というか、昨日の数学の宿題、わかった?」


「うーん、ちょっと難しかったけど、悠くんに教えてもらったから大丈夫!」


その時、悠くんが教室に入ってきた。


悠くんは私の幼なじみで、隣の家に住んでいる。

歳は一つ上でいつも優しくて頼りになる存在。

そして、私の彼氏だ。


「結愛、もうすぐ帰る時間だよ。買い物に行くんじゃなかったっけ?」


買い物!お母さんに頼まれてたんだった!


「あ、そうだった!未華、ごめんね。今日はここまでにするね」


私は急いで荷物をまとめ始めた。


「大丈夫だよ、結愛。また明日ね」


と未華は笑顔で手を振ってくれた。


悠くんと一緒に教室を出て、廊下を歩きながら話を続けた。


「今日の授業、どうだった?」

「うん、楽しかったよ。でも、ちょっと難しかったかな」


私は少し困った顔をした。

授業はちゃんと聞いてるのに、どうしてか理解ができない。


「それなら、今度一緒に勉強しようか?」


悠くんは、分からないところが分からない私にも、諦めずに最後まで優しく教えてくれる。


「本当に?ありがとう、悠くん!」


学校を後にし、スーパーに向かった。


今日はカレーを作るらしいので、その材料を揃えなければならない。


私はリストを片手に、カートを押しながら店内を歩いていた。


「結愛、今日は何を買うの?」

「カレーの材料全部!お肉と野菜、それからスパイスもね!」


と元気よく答えた。


リストを見ながら、次々と材料をカートに入れていく。


この前は、買い忘れがあったし、余計なものまで買っちゃってお母さんに怒られたから、今回はちゃんとリストを作った。


お菓子コーナーには行かない。

買いたくなるから。


悠くんは少し離れたところからその様子を見て、微笑みながら近づいてきた。


「結愛、それ、君のカートじゃないよ」


ふと気づくと、私は他の人のカートを押してしまっていた。


「あ、ごめんなさい!」

「ふふ、大丈夫よ」


優しい人で良かった…


「教えてくれてありがとう。悠くんがいなかったら最後まで気づかなかったと思う」


笑いながらそう言った。

また恥ずかしい姿を見せてしまった。


「どういたしまして。そのために僕がいるからね」と悠くんは言い、私の頭を軽く撫でた。


スーパーで色々やらかしてしまっている私に、信頼度ゼロのお母さんは、悠くんに私の監視を頼んだ。


一人でも大丈夫なのに。


確かに…


この前はお釣り全部ばらまいちゃったし、その前はお菓子コーナーから一時間動かなくて、帰りが遅くなっちゃって怒られたし、色々してるから仕方ないんだけど。


それに、私としては悠くんと放課後デートできるから嬉しい。


私の行動に振り回されながらも、悠くんはいつも私を支えてくれる。


そんな悠くんの優しさに、私はいつも感謝しているし、そんな悠くんが大好き。


買い物を終えた私たちは、スーパーを出て家に向かって歩いていた。夕方の風が心地よく、二人で並んで歩く時間がとても楽しかった。


週に一回、悠くんは私の家で夕食を食べるのが恒例になっている。


「ただいまー!」

私は元気よく家に入った。


「おかえり、結愛。悠太君もいらっしゃい」

とお母さんがキッチンから声をかけてくれた。


「お邪魔します」


「ちゃんとカレーの材料買ってきたよ!」

そう言いながら、買い物袋をキッチンに持っていった。


「ありがとう、結愛。すぐに作り始めるから、二人はリビングで待っててね」


私たちはリビングに移動し、ソファに座って少し休憩することにした。


テレビを見ながら、今日の出来事について話した。


「今日は体育の授業で一度も転ばなかったよ」


いつもは必ず一回は転ぶのに、今日は一度も転ばなかった。


「すごいね」


しばらくして、キッチンからカレーのいい香りが漂ってきた。お母さんが料理をしている音が聞こえ、私たちは夕食の準備が整うのを待った。


「いただきます!」


と三人で声を揃えて言い、カレーを一口食べた。


「美味しい!私、お母さんのカレー大好き!」


「ありがとう、結愛。悠太君もたくさん食べてね」

「はい、いただきます」


夕食を終えた後、悠くんは必ず皿洗いをしてくれる。いくら私がすると言っても、


"ご馳走になったんだから僕がするよ"

の一点張りで譲ってくれない。


元はと言えば、スーパーについて来てくれるお礼で始まった、週一ご飯なのに。


そして、皿洗いが終わるなり、


「また明日」

と言って帰っていった。


長居しすぎたらお母さんがくつろげないからという理由なんだって。


私は、少しでも長く悠くんといたいのに。だけど、悠くんが気にしちゃうなら仕方ないか。


私は玄関で見送りながら、悠くんの背中を見つめていた。家に入ったのを確認してから、私は家に戻った。


こうして、私たちの楽しい一日は終わりを迎えた。



明日もまた、素敵な一日になるといいな。

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