壱日目 Lv.1 お出掛け -1
プレイヤー:ミライ
この世界に来て一日目。今のところ特に変わったところも何も無い。いや、ある。人っ子一人見当たらない。当たり前に数分過ごしていたけど違和感が確かにあった気がする。色んなことを思っていたら
「おはようございまーす”ゲームプレイヤー“のみなさん。今日から三日間、この世界を体験してもらいまーす!」
...ん?ゲームプレイヤー...?
違和感を抱いた私を遮るようにリサの話は続いた。
「本日壱日目は、みなさんにお出掛けしてもらいまーす。この世界に慣れてもらわなきゃいけないからね。わからないことがあるなら手元にある電子パッドであたしに連絡してね。」
あ、ほんとだ、あった。電子パッド。気づかなかった。これで連絡取れるんだ。携帯電話みたい。平和な世界って言うけど、ずっと引っかかる。ゲームプレイヤーっていう単語が。騙されていないか...?いや、きっとそんなことないはず。リサが何かになりきってるだけなのかもしれないし。
「それじゃあ、みなさん外に出て、自由にこの世界を探索してね~。そして今から他のプレイヤーと交流することを、許可します。」
他にも人いたらしい。やっぱり呼び方はプレイヤー、なんだな。今から許可ってことは、許可されない時があるってこと..?謎が増えるばかり。
今いる場所は家のような三畳程しかない部屋だ。一人ぐらいしか入れない。テレビも何も無いけど、なんだか、落ち着くような...。
って思ってるうちに時間が過ぎていく。とりあえず行動を起こさないことには何もならないだろうと思い外に出てみた。
思ったより少なかったが、数人程いた。みんな同い年ぐらいにみえる。
話しかけてみたいな。と思い声を出そうとした。が、出ない。全く出ない。そこで電子パッドを開いて色々探ってみた。何か見つかるかと思い開いた。真っ先に目に飛び込んできた[チャット]というアプリのようなもの。
──もしかして、これじゃなきゃ話せないの...?
頭の中にはてなが増えていくだけで何もわからないままそのチャットアプリを開いてみた。そうするとこの世界にいる人らしき名前が出てきた。
ライ、レオ、レン、ルカ。
みんないるらしい。試しにライっていう人に送ってみようと思い選択し、文章を打ち込んでみる。
《はじめまして、未来です。いきなりごめんなさい。見たら返事ください。》
こんな感じか。とりあえず送信ボタンを押した。声が出せない代わりにこれで連絡するのか。でも、言葉の暴力を防ぐことができるらしい。なるほど、これが平和な世界に行けるよっていうことなのか。一つ現代で問題になっていることが解決された。
そうこうしていると、ライから返事がきた。
《はじめまして。ライです。連絡ありがとうございます。同い年っぽいので気軽に話してください。》
だと。さっき見かけた人たちのどれがライかは分からないけど、文面だけで話してから会うって、怖い気もするが。
とりあえず《ありがとう。》とだけ返し、アプリを落とした。他にもアプリがあるか気になり、見てみた。[アバター]、[人間関係]。
どんなアプリなんだこれは。特に人間関係って。整理できるとか..?いや、それは怖すぎる。何も平和じゃない。絶対。いや、きっと。
と、電子パッドを見ていると、リサから連絡が届いた。
「はーい。今日のプレイヤー交流は終わりでーす。今から今日が終わるまでに交流した人は罰せられるので気をつけてね。それじゃあ、あとは部屋で過ごしてね。」
あ、終わりなんだ。しかも罰せられるって怖。ますます平和じゃない。いや、正当...?だから平和..?でも、犯罪の言葉は聞かないな。二つ目の平和じゃなくなることがなくなっていたことに今更気づいた。
人生ハードモードゲームLv.3 音雲 夏空 @negumo_sora
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