閑話 繰り返す愚か者
それは少し前の話。
あのチャラ男が捕まった時のこと。
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ちくしょう、ちくしょう…!
どうして、なんで!姉ちゃんがあんな奴に!
信じたくない現実が無情にもスマホから映される。それを見た時俺は絶望した。
よりにもよって
気が狂いそうだ、というかもう狂っているのかもしれない。
最近の姉ちゃんはアイツにくびったけでもう見ていられなかった、それなのにあの追い打ちは俺の心を完膚なきまでに粉々にした。
とはいえ彩藤さんたちがアイツの味方である以上俺では到底太刀打ちできない。
当然姉ちゃんをアイツから解放することも…。
完全に八方塞がりだ、あんなクソ親父の話に乗ってしまったせいでこんな事に…どいつもこいつもどうして俺ばかり……
あんな奴一人、例え殺したとしても問題ないだろう…ましてや俺なんて一方的にやられただけだ。
度重なる理不尽に嘆いていると、同じく腹立たしい男がいた。
相変わらず女とイチャイチャしやがって…ざけんなよ。
「っクソイライラするってのによぉ…」
「ん?」
「え?」
その二人は俺の声に反応したようでこちらを見る。
しかし何が何だか分かっていないようだ。
「見せつけてくれるじゃねぇかよ、
男の方は天美って奴だ、コイツも女を誑かして俺から遠ざけるクソ野郎だ。
コイツの隣にいるのは
だがよりにもよってこんな陰キャを好きになるという欠点もある…まぁそれも魅力か、最終的には俺に惚れるはずだ。
その為にコイツをぶっ殺す!
「死ねよオラァ!」
まずはその顔面に一発かます、これでコイツはビビって何も出来ないだろう。
そのままもう一発拳を振るう。
「またかお前」
しかし思い切り殴り掛かるも拳を捕まれる。
何が起きたのか理解が遅れた。
どうして!こんなにもヒョロい男がなんでこんなに力があるってんだ!
「" あの時 '' 二人でかかってきても勝てなかったくせにどうして一人でヤれると思ったんだ」
「っぐぁ!」
そう言った天美にそのままねじ伏せられて身動きが取れなくなる。
「栞、警察に電話して」
「もうとっくにしてるよ…」
「ックソ!離せよ!」
なんとか逃げようと体を動かすがどうにも拘束が解けない。どうしてコイツがこんなに強いんだ!
結局俺はそのまま警察に連行されてしまい、天美が傷付いていた事と事情聴取で傷害の容疑で逮捕されることになった。
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